2013年6月29日土曜日

「金田一少年の事件簿」20周年記念シリーズ、完結。

1992年に講談社の週刊少年マガジンに掲載された「オペラ座館殺人事件」で開幕した「金田一少年の事件簿」が、2012年に20周年を迎えたことから企画されて短期集中刊行されていた全5巻が完結した。



いつもの本格推理風味のケレン味たっぷりのトリックに、劇場的な殺害現場。
20年描きこんだ絵は洗練されて、人物はちょっと若返ったような気さえするが、安心して楽しめる。

連載開始時からのライバルである「名探偵コナン」が悲恋のラブコメという最強の舞台設定をもらって、堂々と日本の大衆娯楽の座に収まったのに較べ、こちらはあくまでも推理がメインディッシュ。
残念ながら、今回はコナンくんとひとつトリックがかぶっちゃったけど、概ね日本新本格の潮流を汲む大仕掛なトリックでよろしいんじゃないでしょうか。

思えば、第一作から島田荘司先生の、というよりも日本新本格の大代表作「占星術殺人事件」のトリックをそのまま流用していて、これって島田先生何も言わんのかね、いや、同じ講談社だし許可とってるんじゃ、とか、そんな許可するわけないじゃん、とかいろいろ騒がしかったが、結局どうだったんだろうか。

いまや新本格の世界も叙述トリックの作品が増えてきたり、ライトノベル風ミステリが本屋大賞なんてとっちゃって市民権を得ちゃったり、奥泉光先生まで、あの桑潟幸一をあんなふうにしちゃうなんて・・というような状況になっている。

あの時、島田先生がトリックの盗用だ、なんて大騒ぎしていたら表現形態がマンガとはいえ、この時代に貴重な本格ミステリの書き手をひとり失っていたかもしれないと思うと、島田先生の大ファンの一人としては、これはさすが島田荘司先生。先見の明だったですね、と心から申し上げたいところだ。

そして、今回の20周年記念シリーズの最後に登場した「薔薇十字館」(これはホントに面白かった!)から「館シリーズ」を開始するような雲行き。
で、建物の設計者が、地獄の傀儡師高遠の実の父親で、他にもたくさん変わった建物を設計していると。
ふむふむ、なるほど。
今度は綾辻先生なんですね。
うん、綾辻さんの館シリーズも講談社ですよ。
じゃ、大丈夫ですね。
たぶん・・

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