2020年1月26日日曜日

これを聴くと絶交した友人を思い出す - Artist File #4 Alex Chilton

アレックス・チルトンというミュージシャンは、日本では一般的には無名と言っていいだろう。
僕も、友人に薦められるまではまったく知らなかった。

いろいろあってこの友人とは絶交してしまったから、このCDを聴くと苦い思いが頭をよぎるが、今でも時々このCDを聴く。

彼にアレックス・チルトン聴いてみなよと薦められた2007年当時、Amazonで入手できるアルバムはこの2in1盤だけだった。


ギター弾き語りでジャズ・スタンダードを歌う「クリシェ」と「Loose Shoes and Tight Pussy...」の2in1アルバム。
クリシェをまず聴いて、そのルーズな演奏がまことに好みでふんふんと聴き、「Loose Shoes and Tight Pussy...」をかけてみてガガーンときた。
彼のルーズな歌そのままのバンドサウンドが、実にカッコいいのです。

この「Loose Shoes and Tight Pussy...」という名盤、やはりタイトルに若干問題があったのか、異なるタイトル&ジャケットで再発されたようだが、そちらも絶盤となっているようだ。
しかし配信で聴けるようなので、ぜひ聴いてみて欲しい。
カッコいいよ。

Set
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2020年1月18日土曜日

甲斐バンドの「異邦人の夜(シスコナイト)」は、きっとトゥーサンのサザン・ナイツをリスペクトして書かれたんだろうな Artist File #4 Allen Toussaint

アラン・トゥーサン単独名義の作品で所有しているのは、不朽の名盤と言われる「サザン・ナイツ」と、ジョー・ヘンリー探究の流れで見つけた「ザ・ブライト・ミシシッピ」の二枚だけ。


サザン・ナイツ
サザン・ナイツ
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アラン・トゥーサン
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とはいえ、プロデュース作には、フランキー・ミラーの「ハイ・ライフ」やロバート・パーマーの「Sneakin Sally Through the Alley」など個人的に偏愛する作品があり、エルヴィス・コステロとのデュエット盤「The River In Reverse」も大愛聴盤だ。

River in Reverse
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Elvis Costello
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THE BANDの名ライブ盤「ロック・オブ・エイジズ」のホーン・アレンジもアラン・トゥーサンの仕事だと聞いたことがある。

ロック・オブ・エイジズ+10
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「サザン・ナイツ」を聴いてみようと思ったのは、ピーター・バラカン氏の著書「ぼくが愛するロック名盤240 (講談社+α文庫)」で紹介されていたからだ。

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タイトル曲を聴いて、すぐに思い当たったのが甲斐バンドの「異邦人の夜(シスコナイト)」(Album「My Generation」収録)で、サウンドデザインの基底部に強い影響を感じられた。
こういうのを「パクリ」っていう人がいるけど、僕はリスペクトなんだと思うんだな。

収録曲の「What Do You Want The Girl To Do?」は、何度聴いたか分からないボズ・スキャッグスの名作アルバム『Silk Degrees』でカバーされたバージョンで知っていた。

数多くのアーティストに影響を与えたミュージシャンなんだと思う。

2020年1月5日日曜日

ファーストアルバムの魔法 - Artist File #3 ADELE

いまや押しも押されぬビッグスター、グラミーの常連アデルについては、ファーストアルバム「19」しか持っていない。


ラジオで聴いた「Chasing Pavements」がアデルとの出会いだった。
あのスモーキーな声で歌われる、一度聴いて心に残るメロディ。
激情あふれる歌唱を支えるオーガニックなサウンド。
この一曲で虜になって何度も聴いた。

その後もシングルが出るたびに彼女の評価は高まり、ラジオで新しい曲も聴いたが、僕の中では、この「Chasing Pavements」を超える衝撃はなかった。

時々、ファーストアルバムには「世に出たい」という強い情熱がもたらす不思議な魔法がかかっていると感じることがある。
この「19」には特大の魔法がかかっていると思う。

ということで、今回記事を書くために調べていたら、この「19」にデラックス・エディションが出ていた!
ロセンゼルスで行われたライヴ音源、レーベル・メイトであるジャック・ホワイトとのスタジオ録音作品となるザ・ラカンターズのカヴァー曲、そして北米での短編ツアー・ドキュメンタリーも収録されているという。
欲しいなあ・・

19(デラックス・エディション)
アデル
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2020年1月3日金曜日

あんまりハードロックに詳しくない僕が偏愛するAC/DCはこれだ - Artist File #2 AC/DC

僕のCD棚、アルファベット順の2番目のアーティストはAC/DC。
しかもこれ一枚しかありません、の「悪魔の招待状 (For Those About To Rock (We Salute You))」
なぜ代表作Back In Blackを差し置いて、この一枚なのか、というのには大した事ない理由があるのです。



高校1年の時、念願のエレキギターを買ってもらった。
と言っても母がパートで働いていたレコード屋の店員さんが安く譲ってくれたものだった。

これがその懐かしいギターの写真で、ギターを抱えているのが売ってくれた人で、座ってるのが高校生の時のオレです。
フェイズスイッチのついた昔のジェフ・ベックモデル。

で、せっかくエレキがあるからと、安いグヤトーンのディストーションかけて、ヤングギターかなんかの「リフ特集」みたいなやつで、いろんなハードロックのリフだけ練習してた時期があったわけですよ。
その中で一等気に入っていたリフが、ホワイトスネイクの「Fool For Your Loving」とAC/DCの「Let's Get It Up」だった。
それで代表作Back In Blackを差し置いて、この「悪魔の招待状 (For Those About To Rock (We Salute You))」だけが家にあるというわけ。

この「Let's Get It Up」のリフの半音で上がっていくところが、ブルーズの常套句で、応用範囲が広い。
The BeatlesのDay Tripperなんかのリフも、これを練習していたおかげでスッと弾けたんだよなあ。

2020年1月2日木曜日

アーロン・ネヴィルとの出会いはMacOSのコードネームからだった - Artist File #1 Aaron Neville

毎年、年末にはCD棚の整理をする。

購入したばかりのCDは、取り出しやすい場所に入れて何度も聴く。
関連する音源もまとめてそこに放り込んでしまうから、一年も経つとABC順に並べたはずのCD棚がカオス状態になってしまうのだ。

今年もその作業をやったので、せっかくだからAから順にもう一度聴き直しをしてみようと思う。
どこまで続けられるか分からないが、アーティスト・ファイルとしてなるべくこのブログで紹介してみようと思う。

ABC順に整理すると、たいていの家で最初に来るのはAaron Nevilleになるんじゃないだろうか。

僕がAaron Nevilleに出会ったのは、池袋の小さな古本屋の店頭でワゴンに並べられていた輸入CDを衝動買いした時だった。
理由は他愛のない話で、当時発表直後だったMacOS 8の開発コードネームがAaronだったからだ。
https://www.macintoshrepository.org/538-aaron-1-x

The Tattooed Heartというタイトルのそのアルバムは、いかついジャケット写真の印象を裏切って、とても繊細な声で歌われるトラディショナルなソウルアルバムだった。

タトゥード・ハート
タトゥード・ハート
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アーロン・ネヴィル
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当時、もう少しクラシックなサウンドの方が好みだったのであまり聴かないでいたが、のちにPeople Get Readyのカバーバージョンを探し漁っていた時に、Aaron Nevilleと再会する事になる。

その名も「ソウルクラシックを歌う」というアルバムだ。

ソウル・クラシックを歌う
アーロン・ネヴィル クリス・ボッティ メイヴィス・ステイプルズ チャカ・カーン
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これは長い事、愛聴盤のコーナーに居座った名盤であった。