2026年4月22日水曜日

『フランケンシュタイン』光文社古典新訳文庫で再読

本棚の整理をしている。

あれも読みたい、これも読みたいと買い続けた本が本棚から溢れる度に、メルカリやらブックオフやらで処分してきたが、そもそも何列にも重ねて押し込んでいる奥の方の本はずっと手付かずのままだった。
またしても決壊した本棚に意を決して、奥の奥まで捜索対象を広げてみたところ、そうだこんな本もあんな本も持ってたなあと再読の誘惑が燎原の火のように襲いかかってきて、今回は『フランケンシュタイン』を再読することに。

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10年ほど前の古層からの掘り出し本である。
冒頭からまったく記憶になく、新鮮な驚きのままに最後まで駆け抜けた。
むしろ教訓的な要素はすでに心得ていたわけで、今回の読書では純粋な文学的喜びが心を占めていた。
再読の醍醐味です。


復刊ドットコムの大仕事『新・幻魔大戦<完全版>』がすごい!

 (たぶん)中学生の頃だったと思う。

小遣いを貰うと、近所にあった長内書店という小さな小さな書店に行って角川文庫の『幻魔大戦』(全20巻)を一冊づつ買うのが楽しみだった。

角川版が完結した後、徳間ノベルズおよび徳間文庫で『真幻魔大戦』として書き紡がれたものも、社会人になってからも引き続き読んでいた。
生活環境が幾度か変わるたびに、いろんなものをなくしてきたが、幻魔大戦の膨大なコレクションもその一つだった。
ふと思い出してAmazonを覗いてみると、『新・幻魔大戦<完全版>』と銘打って、何やら愛情たっぷりに編集されたものが出版されているではありませんか!

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1967年少年マガジン誌で連載開始された石ノ森版(当時は石森)の漫画はエンディングが描かれないまま突然の打ち切りとなり、別媒体で新規構想のもと続編が描かれていた。その続編パートと平井和正先生が別に書き続けた原作小説が時系列に沿って収録されているという資料性の高いもの。
当時の出版社事情も含め、興味深く読み進めている。


『DUNE/デューン 砂の惑星』映画で好きになった人、原作もぜひ!

 2021年、2024年と前後半に分けての映画公開となった『DUNE/デューン 砂の惑星』

この映画がヒットしたおかげで、入手困難だった続編『砂漠の救世主』が雰囲気のある装丁で復刊した。
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出版された23年に入手、多くの積読本に埋もれていたが、やっと順番が回ってきたぞ。
大学生の頃、古本屋で入手して読んでいたが、やはり今時の新訳はいい。
かつての直訳風のものは、それをやっているのが誰なのか迷子になることが多々あったが、充分に日本語の文脈に配慮された文体で、短い物語ではないがあっという間の読了となった。
新訳版では最終巻となる『砂丘の子供たち』も、もちろん入手済みである。


幾田りら『Laugh』から放射される『ぷらそにか』の熱量がすごい!

 2017年頃、YouTubeでよく『ぷらそにか』というユニットを観ていた。

若い人たちの歌のうまさというものが、我々の知っているそれとは少し意味合いの違うものになったんだな、と感じさせるユニットだった。
YOASOBIが出てきて、幾田りらという人の歌のうまさに驚いていたら、当時の『ぷらそにか』に参加していたと聞いて納得頻り。
ファーストソロは通勤時や入浴時の最愛聴盤であった。
セカンドソロはCDで購入して、昨日届いた。

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本作には古巣『ぷらそにか』との共演曲が収録されていて、その『ぷらそにか』の熱量がすごい!
実写版『パリピ孔明』主演の上白石萌歌に書き下ろした主題歌『DREAMER』のセルフカバーもアレンジも含め、めずらしくエモーショナル方向に振り切った素晴らしい仕上がりで、この楽曲の真の姿を見た気がして、内緒だがちょっと泣いた。

光文社古典新訳文庫の『モンテ・クリスト伯』が素晴らしい

初めて『巌窟王』を読んだのは、小学校高学年の頃、父が買ってくれた「少年少女世界の名作」という子供向けの全集に収録されたものだった。

特に父自身が子供の頃感動した作品として、『あゝ無情(レ・ミゼラブル)』とともに勧めてくれた一編で、特別な思い入れのある作品だ。
その『巌窟王』が、昨年『モンテ・クリスト伯』として映画が公開され、光文社古典新訳文庫でも原典新訳版の刊行が進んでいる。
全6巻で最終巻の刊行は28年8月までかかるらしい。

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小学生の時に読んだものとはまるでボリュームが違うわけだが、どの一文も躍動していて、長い物語を読んでいる感じがしない。
翌日続きを読み始めても、それまでにエドモン・ダンテスの身に降りかかったあれやこれやが鮮やかに思い出され、すぐにその世界に没入させられる。
まさに文豪の名作。
色褪せない、生涯をともに歩む物語となりそうだ。

2026年4月20日月曜日

『ナイアガラトライアングル vol.1』と『Ring-a-Bell』の両デラックスエディションは同日に届いちゃったら必然的に一日中大瀧漬け

 3/21同日発売となった『ナイアガラトライアングル vol.1』と大瀧詠一プロデュースの大名盤、渡辺満里奈『Ring-a-Bell』の両デラックスエディションは当然同日に届く訳で、必然的に一日中大瀧漬けである。




『ナイアガラトライアングル vol.1』には、一人でカラオケスナックに行くと、この曲を歌う頻度がもっとも高い伊藤銀次先生の『幸せにさよなら』が収録されている。
やっぱりいい曲だ。
ミュージシャンの先輩に教えてもらって愛聴盤となった渡辺満里奈さんの『Ring-a-Bell』は発売30周年、渡辺満里奈デビュー40周年の記念盤。
オリジナル盤には収録されていなかった大貫妙子作『高い空遠い街』が追加されていて、これがまた名曲だったり、佐野元春作の『ダンスが終わる前に』もやっぱりいい曲で、どう聴いても名盤なんだが、ブックレットに当時の写真がかなり追加されていて、本当に買ってよかったと思わせる企画だ。






ミスチルとコールドプレイと古い心の傷跡と

ミスチルの新譜は、一度集中して全編を聴くことにしている。もちろん今回の『産声』も。

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『Again』で聴ける小林武史渾身のピアノが嬉しい。
原点回帰的な楽曲『Nowhere Man』でも小林らしい推進力あるピアノが聴けて、古いファンにはたまらんプレゼントだ。
珍しく『Saturday』という楽曲で、シカゴの『Saturday in the Park』によく似たイントロを添えるという洒落を効かせている。
5曲目に配された『Glastonbury』は、「2002年のグラストンベリー / YouTubeでチラ見 / クリスは絶好調」というなんとも気になるフレーズで始まる。
調べてみるとやはりコールドプレイのクリス・マーティンのことであった。
まだ東京で働いていた頃、コールドプレイを録音したMDをウォークマンでよく聴いていた。
札幌に移住して古い友人と再会した時、コールドプレイが好きなんてセンス悪いな、と言われて深く傷ついたことは一生忘れないと思うが、『Glastonbury』を聴いて少し救われたような気がした。

どう作っても「カッコよく」なってしまうCharの古希記念ライブが凄かった

 Charの古希記念ライブ〈Char Nippon Budokan Live 2025 - Purple Phase Jam〉をCD2枚とBlu-rayで収録したパッケージが届いた。

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福原みほさんの元気そうなお姿に、それだけでもホッとしてしまうが、春畑道哉(TUBE)やら野村義男、山内総一郎(フジファブリック)やら、大物然とはしていないが界隈では極めて評価の高いギタリストたちが出てきて夢のようなセッションが延々と続く。
Jesse、金子ノブアキ、KenKenといった、Charファミリーの息子たちや、山岸竜之介、並木瑠璃という新世代の超絶ギタリストたちにも(当然ながら)強い影響を与えながら日本のロックシーンを牽引している様子がわかるが、ラスト近く、大物中の大物、布袋寅泰がめちゃくちゃ恐縮しながらセッションしている様子がすべてを物語っていた。

今回の案件での掘り出し物は山岸竜之介という若者で、マーク・ノップラーそっくりにスライドギター弾くのを見てひっくり返った。
今度真似してみよ。
こうして彼の芸歴を振り返ってみると、どう作っても「カッコよく」なってしまうのがCharなんだな、と。
いいもん見せてもらいました!

わらしべ長者や風が吹けば桶屋が儲かる、の厄災版カタログ

 散歩の途中、気まぐれに立ち寄った小さな書店で激しく推していた本を買ってみた。

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少し皮肉めいた視点で書かれた人類史で、現在の世界がなぜこんな姿をしているのかを知るための、ある種のヒントを提示している。
ただし語り口は、ユーモラスの域を少し超えてアイロニカル。

毛沢東が害獣駆除を企図した際、「蚊」「鼠」「蠅」と考えて、四つの方がいいな、と考えて「雀」を追加したら、それがイナゴの大発生を呼び、1500万とも3000万とも言われる飢餓死者を出したというのは、著者曰く「わらしべ長者や風が吹けば桶屋が儲かる、の厄災版」と確かに言えなくもない。

ダグラス・アダムスの大ファンである私には抵抗がなかったが、万人向けではないかも知れないな。

クラシックピアニストが弾く『ザ・ケルン・コンサート』

ちょっと面白いCDを見つけたので買ってみました。 山口ちなみさん(本盤がデビュー盤)というクラシックのピアニストが、即興録音のキース・ジャレット『ザ・ケルン・コンサート』をフル起しの楽譜から弾く、という企画。
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しかもキース嫌いで有名な寺島さんのレーベルから発売されるという。 なかなか話題性のある、趣味性の高い凝った企画です。 

聴いてみると、ああなるほど、ジャズとクラシックはこのように違うのか!という発見がありますね。 
改めてキース・ジャレット『ザ・ケルン・コンサート』の奇跡の名盤ぶりが際立ちます。 

まあ企画が企画だけに、聴けばキースに軍配が上がるでしょうが、新人さんでこんな声が掛かるくらいの期待株。 
行きすぎた演出気のないピュアな音色がどこまでも美しい。 本業のクラシックでリリースがあればぜひ聴いてみたいものです。

怪奇趣味を湛えた異色のルパン作品『三十棺桶島』

 アルセーヌ・ルパン『三十棺桶島』面白かった!

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解説にもあるが、『獄門島』を思わせる怪奇趣味の一作で、金田一耕助シリーズをテレビで楽しんだ世代として格別な想いでページをめくった。
平成初期に熱中した『新本格』の諸作に通じる「怪奇だが美しい」謎の提示にも痺れるし、危機一髪のアクションシーンがこれでもかと続く後半では、どんでん返しの波状攻撃に脳がヘトヘトに。
光文社古典文庫お得意の、原作からの転載と思われる挿絵も嬉しい。

泣くことで救われたっていいじゃないか:『秒速5センチメートル』

 新海アニメの実写化『秒速5センチメートル』をBlu-rayで。

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正典であるところのアニメ版は、第1話「桜花抄」、第2話「コスモナウト」、第3話「秒速5センチメートル」の3部構成で、全編で63分のコンパクトな作品。
実写版では非常に魅力的な登場人物たちが、それぞれの葛藤をこれでもかと拗らせていく展開で、見どころ満載であったが、結果的には121分(現代映画の尺度では決して長くないが)の映画となり、重要な役どころを演じた木竜麻生の熱演が冒頭と終盤の泣き別れになったりして、印象が散漫になり少し残念なところもあった。
反面、種子島シーンに集中した森七菜は、役柄が本人のキャラクターそのまんまだったこともあって非常に良かった。
新海アニメ初期の大傑作『雲のむこう、約束の場所』で主役の声優を務めた吉岡秀隆も、本作で再登板、主人公貴樹の拗れを解きほぐす重要な役を演じ、貴樹のみならず、観ているこちらの涙も激しく誘った。
泣くことがこの映画を鑑賞する正しい姿勢なのだろう。
「泣く」ことが「救い」の装置として仕掛けてある物語なのだから。

2025年12月20日土曜日

さらば真空管、デジタルオーディオとアナログプレーヤー

 2007年から愛用してきたMcIntosh C2200 & MC275ペアは、またしても「ボンっ!!」という嫌な音を立てて真空管が飛んだ。


ここ最近の視聴会では、デジタルアンプの音が好印象で、しかも子供の頃憧れていたテクニクスが近年いい感じの復活を遂げている。

私ごとだが、還暦に届いたのを機に仕事から引退してみたので、この機にオーディオの入れ替えを目論んだ。

条件の最優先事項はSACDの再生環境だった。
ジャズ、クラシックでシングルレイヤーの盤を数枚持っていること、さらに不確かな情報だが海外ではあまりラインナップされていないSACDの再生装置の開発がいつ終了してもおかしくないことから、最後のSACDプレーヤーとしてテクニクス機が良さそうに見えたのです。


これに併せてテクニクスの新プリメインアンプがデジタル仕様なのが良い。そして今どきのVUメータも嬉しいじゃないですか。


ここまできたらレコードプレーヤはもちろんテクニクスと行きたいところなのですが、DENONさんが魂込めて作ったやに見える、新モデルが良さそうすぎてついこちらを発注してしまったのですなー。


型番DP-3000NEと、伝統のエースナンバー3000番を奢られているのも嬉しい。
せっかくのDENONですからカートリッジもDL103を。
なんとテクニクスアンプはリモコンで、MC/MMの切り替えができるんですよ。

この新しい機器は、いくら長く聴いていてもまったく熱くならないのが安心です。
また電源系も含めほとんどの操作を一つのリモコンで操作できるのも、実に快適。
DENONのプレーヤは単独の電源スイッチがなく、ターンテーブルの回転を止めると電源が同時に落ちるようになっていて、これまた実に合理的。

なんか新しい機器はいろいろ快適ですわ。