2016年7月18日月曜日

レコードクリーニング液を自作してみたよ

年に一度、地元の新聞販売店主催の古本バザーがあって、そこにけっこうな数のアナログレコードも出品されるので毎年楽しみにしている。
今年は7月15日(金)に開催された。
なんと一枚100円なので手当たり次第に買うという手もあるが、僕は昔カセットテープに録って愛聴していたが、レコードは持っていなかったものを中心に買っている。

今年の獲物はこの19枚と相成りました。



一般家庭に死蔵されていたレコードは、触れば残る皮脂に黴が生えてこびりついているケースが多い。
湿式のクリーニング液が必要だ。

僕の愛用品は1液式のNinonyno。
以前2液式のレイカ・バランスウォッシャーを使っていたが、200mlで5000円弱という高価さからクリーニング回数が減ってしまうという本末転倒に疑問を感じ、500ml3000円のNinonynoに転向した。

そして今回19枚のクリーニングをするにあたって、さらにコストダウンを図るべく、自作にチャレンジすることにした。

すでに先達が充分な研究と経験を積んでおられる。
ありがたくノウハウを使わせていただこうと思う。
多くの情報の中から、なるべく経験値や感覚論に拠らない、合理の論に乗ってみる。

結局のところ湿式のレコードクリーニング液とは、
塩化ヴィニールは溶けないが、皮脂は溶ける濃度のアルコールに、水滴化を防止する界面活性剤を添加したものである。
どれも比較的簡単に手に入る。


まずベースになる精製水はコンタクトレンズの洗浄用に500ml100円ほどで売っている。

アルコールに何を使うかは考えどころだ。
最良の選択肢は純度の高い無水エタノールだが、これには酒税がかかり、わりと高価だ。
イソプロピルアルコール50%という製品を使えば酒税も回避できるし、等量で混合すれば25%という適度な濃度のアルコール液ができて、次回精製水とタイミングを合わせて購入できるため扱いもいい。価格も400円程度と手頃だ。

界面活性剤には、写真の現像の際、現像液が水滴状になって現像ムラが生じるのを防ぐドライウェルという薬剤が使える。
このアイディアを最初に思いついたのは誰なんだろう。
きっとオーディオ趣味とカメラ趣味というのは似たところがあるのだろう。両方を嗜む人が思いついたに違いない。
ヨドバシカメラで350円で入手できた。

しめて約850円で1000ml分のクリーニング液が手に入ったことになる。比較的安価なNinonynoとくらべても六分の一程度である。

さっそく精製水250ml、50%アルコール250ml、ドライウェルをヤクルトの短いストロー一本分で作ってみた。
Ninonynoの空き容器に入れて振ってみると、泡が立って軽く発熱したので、ちょっと焦るが、すぐに泡も熱も落ち着いた。


肝心の使用感だが、製品とほとんど変わらない。
黴汚れは確実に落ちるし、ドライウェルの効果で薬液が盤面に残らないため、長期的な変質も起こらないだろう。
ただしひとつ問題がある。
それはアルコールの匂いで、製品に比べるとかなりキツい。
イソプロピルアルコールの特有のものなのかもしれない。
いずれにせよアルコールに何を使うか、がこのクリーニング液作りの肝のようだ。



2 件のコメント:

  1. *私も、レコードクリーナー溶液は必要と考えています。特に長らく聴かなかったレコードは、溝の底に油脂とまじりあったゴミがこびりつくようです。そのような場合、最初は水拭きでしたが、今は、洗剤JOYを垂らしたごく薄い溶液を使っています。英雄みたいにいつも大きな音の場合は気になりませんが、ホロヴィッツやビルエヴァンスのようなデリケートな盤は、とても気になります。その薄い溶液でレコード全体を柔らかく拭くのですが、それだけではだめで、私は、DL-103を2.5gで使ってますが、そのカートリッジの上に一円玉1~2個乗っけて走らせます。すると、レコード盤全体に、埃の粒子が浮き出ます。これは絶対にレコード盤の成分ではありませんね。一円玉を取り除いて聞くと、80%以上ぱちぱちノイズは取れてます。荒療治みたいですが気に入っています。 galwayera

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  2. コメントありがとうございます~
    JOYは中性洗剤ですからアルコールより安全ですね。
    知り合いの中古レコード店主も汚れの酷い盤はデノンのカートリッジで半日かけっぱなしにしてから掃除すると言ってました。案外これが一番いい方法なのかもしれませんね。

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