2022年2月1日火曜日

五輪真弓とキャロル・キング:五輪真弓『風のない世界』

 最近は、もっぱらジャケ買いで日本の古いレコードを買ってるわけだけど、こんなのを見つけて買ってみた。

五輪真弓『風のない世界』














僕が五輪真弓さんの音楽を知ったのは、もちろんあの『恋人よ』からで、当時はすでに落ち着いた実力派SSW的な雰囲気だったから、この『風のない世界』のジャケットに映る若き日の彼女からダダ漏れに溢れてくる気迫のようなものに驚き、抗い難く手に取った次第だ。



あらためて調べてみると、デビューからソニーレコードは五輪さんに個人レーベル「UMI」を持たせて、海外レコーディングを敢行する力の入れようだったが、確かにこの73年発表のセカンドアルバムに吹き込まれた楽曲からもベテランのような風格が漂っている。

帯にあるようにキャロル・キングがA3『昨日までの想い出』とB3『家』にピアノで演奏に参加している。

ソニーが戦略的に『和製キャロル・キング』のセンを狙って、72年の五輪真弓のファーストアルバム『少女』からキャロル・キングに参加してもらっているわけだが、71年発表の『つづれおり』が大ヒットしている中でのサポートであることを考えると、これは非常に貴重なテイクと言える。


五輪真弓さんのこのセカンドアルバムでは全曲で、当時のキャロルのご主人チャールズ・ラーキーがベースを弾いている。

『つづれおり』では、キャロルのピアノが強くフィーチャーされているからだろうか。五輪真弓さんのこのアルバムのサウンドからは、キャロル・キングの空気感よりも、チャールズ・ラーキーが参加したセッションの空気感を感じるのだ。

キャロル・キング、チャールズ・ラーキー夫妻は、当時オード・レコードの所属で、デヴィッド・T・ウォーカーのレコーディングの常連であった。

デヴィッド・Tがオード・レコードに残した黄金期の大傑作『David T,Walker(通称Real T)』『PRESS ON』『ON LOVE』が大好きすぎる僕は、つい五輪真弓さんのこのアルバムにも彼らの演奏の空気感を探してしまっている、ということなのかもしれないが。



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