2017年5月20日土曜日

イエス『究極〜GOING FOR THE ONE』(1977):プログレをあんまり聴かない僕がイエスを聴いたら

先日先輩から戴いた100枚超のレコードコレクションには、イエスも一枚含まれていた。
『究極〜GOING FOR THE ONE』(1977)


イエスといえば、幻想画家ロジャー・ディーンというイメージがあるが、本作のジャケはヒプノシス。
レーベルもヒプノシスによるカスタム。
B1に収録されたコンパクトな『不思議なお話を』という曲がトップ10ヒットになったようだ。

イエスのアルバムは『イエスソングス』を持っているきりだったプログレ素人の僕には、各楽曲の出来を云々する鑑識眼はないから、このアルバムを聴いていても、安定のイエス・サウンド、くらいの感想しか湧いてこないが、それがジョン・アンダーソンというヴォーカリストの特別さが支えているものだということはわかる。

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フロイド、ELPと聴いてきて、イエスの演奏のまさに「一糸乱れぬ」という感じの安定感が際立っているように感じる。
名盤として知られる『こわれもの』が、レコーディング時のバンドの状態から命名された(ウェイクマン談)というエピソードからは想像もつかないが、不和からのメンバー交代が多く、本作も脱退していたリック・ウェイクマンが復帰しての作品というから、どうやらイエスというバンドは仲良しバンドではないようで、だとするとこの安定感や一体感は、それぞれのプレイヤーの力量がきちんとバランスしているのが要因ということなのだろうか。

戴いたレコードの中にはリック・ウェイクマンのソロ時代の作品も含まれていたので、併せて聴いてみた。
『地底探検』(1974)である。


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ジュール・ベルヌの同名小説を楽劇化したもので、ロンドンフィルとの共演。
リック・ウェイクマンのソロには、こうした文芸の楽劇化が多いらしい。
イエス屈指の傑作として知られる『危機』も、ヘルマン・ヘッセ『シッダールタ』からの着想で構成されたアルバムで、 ジョン・アンダーソンにもこうした文芸指向はあったようだ。


AB面各2曲ずつを配した全4曲。
歌詞と語り、そして大部分を占める音楽で物語を構成している。
要領よくまとめられたブックレットがそれを補っていて、パッケージ商品として非常に練られたものになっていて、今回ここに一番感心した。




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