2012年11月13日火曜日

オルトフォンVMS20Eが教えてくれる「弦」の音。

いつもオーディオやクラシック音楽について有難いご教示をいただいている先輩オーディオファイルの方から、なんとカートリッジをいただいてしまった!
Ortofon VMS20EというMI型カートリッジ。
以前もお借りしたことがあって、いくつかお借りしたカートリッジの中で最も気に入っていたものだった。どこにも誇張のない自然な音と感じた。

僕が普段使っているのは、DENONのDP-500Mというプレーヤに付属しているオーディオテクニカのOEM品。明るい色調の元気な音が身上のカートリッジで、クラシック、ジャズ、ロック、オルタナティブとなんでも再生する僕にはありがたい存在だ。

いただいたカートリッジを取り付け、ラテラルバランス取って、針圧をかける。1gという軽針圧タイプ。重みがあまりかかっていない分針の動きを妨げずより豊かな表現につながる可能性があるが、トレースが充分できるかが難しい。どちらかというと神経質なタイプと言えるかもしれない。

大好きなバリリのベートーヴェン弦楽四重奏に針を落としてみる。
いやに音量が小さい。左チャンネルから音が出ていないようだ。一旦カートリッジを外して結線を確認すると4本あるリード線の一本が外れかかっているようだ。模型用の細いピンセットで奥までしっかりと差し込む。
再度セットすると、今度は両チャンネルから音が出た。
しかし、前回お借りした時と較べ少し音色が暗いように感じた。それまで馬鹿みたいに元気で声の大きいテクニカのカートリッジで聴いていたせいだろうかと疑うが、すぐに「もうちょっと鳴らしてあげないと調子が出るわけないじゃないか」と気がついた。レコードをワーグナーの管弦楽集に換えて慣らし運転をしてみる。小一時間ほど再生して、再びベートーヴェンに。
弦の音が違う!
以前、先輩のお家で聴かせていただいて、これはウチでは出ないぞ、と思った弦の感じにほんの少しだが近づいた気がした。
何日か鳴らしてやれば、もっともっといい音になるだろう。

ふと思いついて先日オークションで落としたばかりの稲垣潤一をかけてみる。はじめてレコードで聴いてこんなすごい低音がはいっていたのかと驚いた盤だ。
思った通り。このカートリッジの特質はおそらく低音にある。しっかりした低音がどこまでも伸びていく。この低音があるからこそ、ゆるがない高音が表現されるのだろう。そして表現の難しい弦楽器の実体感が醸し出される。
まだまだ引き出し切れていない僕のスピーカーの力を、また少しこのカートリッジが開いてくれたようだ。

かなり以前に生産が終了しているモデルで、人気モデルであったにもかかわらず、調べてみると互換針も含めて交換用の針の入手は難しいようだ。大切に使うことにしたい。

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