2017年5月22日月曜日

ジェントル・ジャイアント『ジェントル・ジャイアント』:あんまりプログレを聴かない僕がジェントル・ジャイアントを聴いたら

プログレのレコードは凝りジャケが多いが、 一度見たら忘れられないアルバムアートワークの筆頭がこれじゃないだろうか。
ジェントル・ジャイアントのデビュー・アルバム『ジェントル・ジャイアント』

今回実物を入手してはじめて知ったが、裏面と併せて一枚の絵になっている。


音は今回はじめて聴いたが、これはいいぞ。
美しいコーラスワーク。
プログレバンドに必須な変拍子やクラシカルな重厚さはもちろんあるし、そのうえポップセンスを感じるメロディラインに、アコースティックを楽器も多用され、トラッドフォークの匂いもする。
あと声質とギターのセンスがロックだ。

プログレッシブ・ロックっぽい、と感じる要素は、時にロックらしさを希薄にすることがある。このバンドでは、それが高い次元でバランスしているような気がする。

それらが結実した彼らの代表盤が、1972年の4thアルバム『オクトパス』
イエスの時にご紹介した幻想画家ロジャー・ディーンが手がけたアートワークも素晴らしい。
残念ながらLPは未所有である。

オクトパス
オクトパス
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のちにポップな部分を前面に打ちだしたアルバムを発表し、アメリカのヒットチャートにも登場したりする。もちろん古いファンには賛否両論となったことだろう。
それがこの『ザ・ミッシング・ピース』

裏ジャケに例の顔がジグソーになって一枚ピースが欠けている。
そして表に失われたピースが。


実際に聴いてみると、この重層的なアレンジとハイテクニックなキーボードプレイをフィーチャーしたサウンドを「普通の」ロックンロールと呼ぶことはできないが、プログレとも言えないような気がする。
その意味で、これがジェントル・ジャイアントの到達点と言えなくもないわけだが、発表から40年経った今、ジェントル・ジャイアントのアルバムとして聴きたいと思うのはやはりファーストアルバムの方だと思う。
あくまでもプログレをあんまり聴かないリスナーの個人的な判断にすぎないが。

このアルバムの後、ポップ路線を継承した『ジャイアント・フォー・ア・デイ!』をリリースする。こちらもLPで所有している。
おなじみの巨人さんまでがポップなイラストタッチになっているが、しかもこれ、切り抜いてお面にしろと書いてある。
ご丁寧に、ジャケ裏には使用例が。
さらにご丁寧に、レコードの収納袋にモノクロのお面までついている。
 優しい巨人というより、お茶目な巨人である。


ジェントル・ジャイアント
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