みんな大好き、ザ・スクエアです。
今朝磨いたアルバムは84年の『ADVENTURES』
このアルバムの収録曲がサントリーホワイトのCFに使われ、サックス奏者の伊東たけしが、リリコンという電子サックスを吹いて出演したことで一般の認知度が急上昇したアルバムだそうです。
そのリリコンってのがこれです。
扱いにくい楽器だったようで、発売元も倒産していて今は入手できないようですが、その特許はヤマハが買い取ってウィンド・シンセの市場を作っていきました。
アルバムを聴いてみると、これぞフュージョン!という感じの、どこにも歪みのない端正なサウンドが聴こえてきます。
ミュージシャンのエゴを超えて、聴く側の楽しさとか切なさに寄り添ってくる音楽。
テクニカルな演奏でキメの多いフュージョンは、合奏の楽しさを知る楽器演奏者に強い感銘を与えますが、思えば、リスナーには日常的に楽器を弾かない人のほうが圧倒的に多いわけです。
超絶テクニックでは唸らせない、ひたすら完成度の高いインストゥルメンタル・ポップの需要は昔からあったはずで、この路線の結実として例のF1のテーマ曲としてまさに一世を風靡した感のある『TRUTH』に彼らがたどり着いたのは慧眼であり、必然だったと思います。
このバンド、今ではもうT-SQUAREという名前のほうが定着していますが、88年に『TRUTH』を全米発売する際、アメリカにSQUARESというバンドが先行してあったため「T」を付けたそうです。何のTなのかはわかりませんでした。TRUTHのTかなあ。
そもそものスクエアの由来も、地下鉄で名前を考えているとき、目に入った「マディソン・スクエア・バッグ」から発想したらしいです。
流行ったよね、マジソンバッグ。
さて、今回このアルバムを入手する以前から、知人からもらって83年までのベスト盤を持っていました。
二枚のアルバムを通して聴くと、それまでも平明なメロディラインという美点を持っているものの、『ADVENTURES』からサウンドの安定感のようなものがグッと増して、いい意味でのGood BGMという仕上がりになっているのがわかります。
で、このベスト盤に収録曲が無く、『ADVENTURES』の発売前に出た、狭間のアルバムに『打ち水にRainbow』というのがあります。
THE SQUARE
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当時スクエアがツアーでのバックバンドをつとめていた松任谷由実さんがトータル・コーディネーターとして参加されています。
このポップの完成度にこだわる偉大なアーティストとの経験が、次作 『ADVENTURES』の質感に影響を与えたことは間違いないでしょう。
『打ち水にRainbow』収録でユーミンさん作曲の「黄昏で見えない」は、のちにユーミン自身が作詞して「幻の魚たち」というタイトルで小林麻美さんが歌っているそうです。
そっちも聴いてみたい!
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