マイルズやソニー・ロリンズのレコードに針を落とすと、それが何時のことであってもあたりに夜の空気が満ちる。
だから朝にわざわざジャズを聴くことは滅多にないが、昨日買ったこのレコードがあまりにも素晴らしいので今日も朝から聴いている。
ソニー・ロリンズの「コンテンポラリー・リーダーズ」
ロサンゼルスのコンテンポラリー・レーベルに憧れる気持ちは、このレーベル・デザインの素晴らしさに負うところが大きい。
まだオーディオ誌を熱心に買っていた頃、カッコいいデザインのプレーヤーの写真にはたいていコイツが載っていた。様になるんだよね。
個人的には、ロイ・デュナンというレコーディング・エンジニアがAKGのマイクを愛用しているという事実が、自分の愛用機と重なって親近感を感じるということもある。
さて肝心の音楽の方だが、実はソニー・ロリンズの音楽にはあまり興味がなかった。大名盤と言われる「サキソフォン・コロッサス」も含め、なにか求道的な厳しさが音色に満ちていて繰り返し聴こうと思えないことが多かった。ピアニストさえも従えず、和声楽器を持たない編成でまるで何かに挑むようにライブを続けた姿勢がそのような孤高感を生むのだろうか。
ところが、西海岸にわたって録ったこのレコードには、どこかリラックスしたムードがある。名手バーニー・ケッセルのギターとハンプトン・ホーズのピアノに音楽の骨格を委ね、ヴィクター・フェルドマンとソロの交換を楽しむ。
いいレコードだ。
さすがのロイ・デュナン録音。ルディ・ヴァン・ゲルダーのようにラジオを意識してどこかを誇張することなく、楽器の音を中央に集めてストレートに「音楽」として録音する。
その真っ直ぐさが一日分のエネルギーを補充してくれる。
同時期の録音の有名盤「ウェイ・アウト・ウェスト」も探してみようか。
ソニー・ロリンズ
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Sonny Rollins
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