今朝のレコードはミック・ジャガーの(たぶん)ファースト・ソロ「シーズ・ザ・ボス」
「まったく、女にはかなわないぜ」くらいの意味でしょうか。
これも定期的に聴きたくなる一枚。
そんな人あんまりいないでしょうけど。
しかしこれはもう、ジェフ・ベックのギターをポップロックのフォーマットで堪能するためのベストなアルバムと言っていいんじゃないだろうか。
ミック・ジャガーの商売気たっぷりのポップサイドを全面に立てた楽曲と、唯一無二のジェフ・ベック・トーンのバランスが実に不真面目でいいと思う。
一曲目から炸裂するブルージーでフリー気味なリフもえらくカッコいいが、先行シングルになった「ジャスト・アナザー・ナイト」でのジェフ・ベックのプレイは、他のどの曲とも違う実験的なトーンやスクラッチ・ノイズ的なサウンドを奏でていて面白い。この奏法は後にレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロによって有名になるが、こんなメイン・ストリームのアルバムで、1985年にすでに披露されていたのである。
注目したいのはB-Side4曲目の「Secrets」
リズムギターがナイル・ロジャースで、ベースがバーナード・エドワーズということで、バックトラックは「シック」なわけです。
そこにジャガーの歌と、G.E.スミスのギターが乗ってくる。
G.E.スミスといえば、もうホール&オーツのウェイト・フォー・ミーのあの必殺のイントロなわけで、かっちりくっきりのシック風トラックに、あの丸っこい揺れる歪のG.E.スミス'sギターがいい感じで入ってくると、やっぱり80年代って何だかんだ言って結構よかったんじゃない、って気になってくる。
Mick Jagger
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日本ではホール&オーツのバックでレスポールで太い音出すギタリストくらいの知名度のG.E.スミスだが、本国アメリカでの最も有名な仕事はたぶん、意外にもダン・ハートマンの78年のダンス・クラシック「Instant Replay」でのバッキングプレイで、現代最高のテレキャス・マスターと呼ばれているそうな。
ビデオでは、スミスさんベース弾いてますね。
スタジオ録音ではベースはダン・ハートマンご本人が弾いてます。
ちなみにこのInstant Replayという曲でリード・ギターを弾いていたのが、後にKISSに加入するヴィニー・ヴィンセント、ってこっちも意外すぎるだろ。
Dan Hartman
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80年代後半、アメリカの有名バラエティ「サタデーナイトライブ」の音楽監督を務めたほどのG.E.スミス。
日本ではあまり感じられなかった彼のルーツ・ミュージックへの傾倒が全面的に体感できるアルバムが、ビートルズのホワイト・アルバムをブルーズカバーで再構築した「ブルーズ・ホワイト・アルバム」
全曲でブルーズギター弾きまくりです。
マリア・アルダーのオブラディ・オブラダ以外はゴリゴリのブルーズで、ビートルズファンにはちょっとアレなアルバムですが、お好きならこちらも。
うん。マリア・アルダーのこれはいいんだよなあ。
Various Artists
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