ビリー・ジョエル、1976年の4thアルバム『ニューヨーク物語』。
邦題の通り、ロスからニュー・ヨークに拠点を移しての制作となった。
原題のTurntstilesは改札などに使われる回転式のゲートのことで、ジャケットにも写っている。
ジャケットの人々はアルバム収録曲の登場人物で、ビリーの吟遊詩人趣味が反映されている。
ビリー自身も『Say Goodbye to Hollywood』がロネッツの『ビー・マイ・ベイビー』の影響下にあることに言及しているが、フィル・スペクターも自身のバンドで『Say Goodbye to Hollywood』のカバーをしている。
日本でも嘉門雄三(桑田佳祐)がカバーしており、誰もが認める名曲と思うし、事実二度もシングルカットされているが、これが不思議なほどに売れない。
この曲が正当に評価されたのは、ライブ盤で紹介されてからで、ファーストアルバムの『シーズ・ガット・ア・ウェイ』もそうだった。
吟遊詩人的に良いアルバムを作ることを指向していて、演奏活動はどちらかというと活動の原資や生活のためと考えていたと、ビリー自身もインタビューに応えて語っていたが、皮肉なことにそのライブが掛け値なしに良かったのだろう。
何度か映像作品でビリーのライブを観た事があるが、ピアノに登って熱唱するビリーは実に熱く、説得力があった。
そしていよいよビリー・ジョエル真の出世作『ストレンジャー』が作られる。
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