マーティン・スコセッシの映画『The Last Waltz』のサントラ。
ザ・バンド解散記念コンサートの映画化と思っていたが、どうやらツアーに疲れたロビー・ロバートソンが、ライブ活動からの引退を目論み、その区切りとして企画したものらしい。
結果的に、リヴォン・ヘルムとの間の確執を決定的なものとしてロビー・ロバートソンは脱退してしまうのだが。
内容は流石に素晴らしい。
ザ・バンドの演奏には、本当に仲違いしていたのか疑いたくなるような一体感がある。
ニール・ヤングの『Helpless』は奇蹟のように美しく、ジョニ・ミッチェルの『Coyote』は、いつも通りの融通無碍な演奏で、いつも通りでない。
思わずニヤリとさせられるポール・バターフィールドの『Mystery Train』を聴けば、そうだここから新しいBluesが始まったんだとの感慨を新たにして、そこからのマディ・ウォーターズ登場には思わず膝を打つ。(実際の演奏順とは違うようだが)
クラプトン、ボビー・チャールズ、ヴァン・モリソンと大物が続き、いよいよディランの登場だ。
『Planet Waves』のバージョンを下敷きにした『Forever Young』にはいっそう熱く演奏されるロビー・ロバートソンのギターがフィーチャーされ、ディランの歌にも熱が帯びている。
そしてリチャード・マニュエルとのデュエットで歌われる必殺の『I Shall Be Released』はどうだ。
心熱くする名曲の名演。
一転、もう一つの代表曲『The Weight』は、いつもの熱さを押し殺して演奏されているように感じる。
ロビーのライブ活動からの引退宣言に対して「どうしてすべてを投げ出してしまうんだ」と言ったリヴォン・ヘルムの寂しさがそう感じさせているんだろう。
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