2017年9月4日月曜日

スティーリー・ダン『ガウチョ』:ウォルター・ベッカーの訃報を聞いた朝、このレコードを聴く

ウォルター・ベッカーが死んでしまった。
67歳の早すぎる死。
病気療養中ということさえ知らなかった。

スティーリー・ダンのアルバムから一枚を選んで、これが一番好きだと決めることなど出来ないが、今朝は『ガウチョ』を聴こう。



各曲の演奏的な聞きどころを追いかけていけば『エイジャ』に及ばないかもしれないが、楽曲としてのまとまり、醸し出す時代感などアトモスフィアに優れたアルバムと思う。
『エイジャ』を聴いていると、どうしてもあのドラムソロが、あのギターソロが、という話になりがちだが、『ガウチョ』なら、やっぱり「ヘイ・ナインティーン」いいよね、だったり、オレは「バビロン・シスターズ」が、というような言い方になるだろう。
「ヘイ・ナインティーン」はバーナード・パーディーがドラムを叩いているが、この見事な縁の下っぷりはどうだろう。
そして、「バビロン・シスターズ」のウォルター・ベッカーによる見事なベースは。

各社の訃報ではウォルター・ベッカー(ギタリスト)とあったが、ベーシストとしてのウォルター・ベッカーは本当に素晴らしい。そしてその本領を最も発揮したのが本アルバムだろう。

この盤にはSACDが出ている。



非常に分離のよいマスタリングで、よい音、というならこの盤で申し分ない。
しかし、だ。
とても残念なことに少しベースの音が大きすぎる。
大きな音量で聴くときには少々尖って耳に痛いのだ。
そりゃウォルター・ベッカーの最高のベースプレイだから少しくらい大きくたってかまわないが、この曲の少し退廃を帯びた佇まいをぶち壊していることは間違いない。

ただし、小音量で聴く時にはこれが丁度よく聴こえるようになっている。
天然ラウドネスというわけか。

今日のように追悼を兼ねて浴びるように聴く時はレコードで、深夜彼を偲んで聴く時はSACDがいいようだ。

ガウチョ
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