Cafe GIGLIOで使っているCOPLAND CTA401プリメインアンプには、EL34という真空管が使われている。
自分のメインオーディオでもMcIntoshのMC275というKT88管を挿した真空管アンプを使っているので、時々「管球王国」という専門誌を買うことがあるが、今売られている70号がEL34の特集だったので、勉強のために買ってみた。
これが、私の所有するCOPLAND CTA401に挿さっているEL34で、ロゴを見ると英国のPMコンポーネンツ傘下のゴールデン・ドラゴンのもののようだが、なにやら中国語らしきブランド表記があり、中国の工場で作られたもののようだ。
記事によると、このEL34という管は、戦後アメリカの真空管産業が統一企画で安価な製品を世界に送り出し始め、危機感を覚えた欧州の業界がそれに対抗して作った統一規格管なのだそうだ。
後発で、しかも戦後の設計であるため無理がなく、特性がよく増幅効率も高いとある。
ヴィンテージ管としてはテレフンケンとムラードが有名で、記事の企画としてはそのヴィンテージ管と現行製品との聴き較べのようなカタチで構成されている。
記事は、この業界の常で、音楽の話と機械の話が交錯し、しかも音楽解釈の違いだけがヒートアップしていく傾向にある。
しかし、今回は珍しく安易なヴィンテージ管礼賛に陥らず、大量消費型社会に産まれた消耗品であることを指摘し、劣化した古い管を使うよりは厳選され充分にエージングした現行製品を推奨している。(何しろかつて日本コロンビアでは、録音のモニタ用に使っていたアンプのEL34真空管は数ヶ月ですべて取り替えていたそうだ)
その関係で製造工場での音の違いの分析や、メーカーの体質のようなものにまで言及していたため参考になる部分が大きかった。
個人的にはスロヴァキア工場で生産されたCロゴのスヴェトラーナ・ブランドやJJブランドのものに食指が動く。
よく、真空管なんてまだ造っているんですか、との声も聞くが、このようにAmazonとかで普通に買える。
店のCOPLAND CTA401プリメインアンプがウチに来て、もうすぐ一年になる。
前のオーナーがどのような鳴らし方をしていたのかわからないが、最近心なしか音量が上がってきたような気がする。
上り調子なのか、絶命前の一花なのか。
いずれにしても安心して長い間お付き合いが出来そうな真空管アンプなようで本当によかった。
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