2013年11月24日日曜日

映画「逆転裁判」:いろんなものに目を瞑るとすごく楽しい「あざとさ」のショーケース

ゲームタイトル「逆転裁判」の映画化作品。
おなじみの成歩堂を成宮寛貴が、ヒロイン真宵を桐谷美玲が演じている。
桐谷美玲が出演している時点ですでに見処は決しており、彼女は今回もその期待を違えないセンスあふれる「発声」で名演を連発していた。




しかしなんという豪華キャスト。
ジャーナリスト小中大(こなか・まさる)役に抜擢されたのはなんと、シーナ&ロケッツの鮎川誠。普段から博多弁丸出しのトークがどこまでも突き抜けていてカッコいいが今回も彼はまったく演技はしていない。素のままだ。
そしてシナロケの名曲「レモンティー」にちなんで、事件発生時にはホテルでレモンティーを飲んでいたと証言。添えられた映像には鮎川自身がラフにレモンを握り潰してレモンティーを作るシーンが収録され、これだけでもお宝だ。



さらに40年無敗の検事には同じロック人脈からARBの石橋凌をキャスト。
こちらもステージアクトと全く同じ素振りで毒を撒き散らす。
なんてロックンロールな映画なんだ。



ここに純粋演技で文芸的薫りを添えるのが小日向文世だ。
登場シーンでは顔が見えないのに、ボソッと呟いただけで彼とわかる饒舌な存在感はどうだ。これが役者だ、と思う。素晴らしい。



若手では小栗旬演じる糸鋸刑事が素晴らしい。
どのみち「あざとい」のだ、こういう映画は。
演技者が映画自体に飲まれないようにするひとつの方法を小栗は示している。



そう、ここは演技者のショーケース。
三池監督のしつらえた舞台の上で、制約なく演じられるショーを愉しめば良い。
事件解決の合理性。
証拠物件の正当性。
人物描写の整合性。
そういうものにはこの際、目を瞑っておくべきだ。
ゲームの方もちょっとやってみたくなったな。


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