2013年11月30日土曜日

「ネジ」の増し締めもスピーカー・セッティングの基本です

いよいよ北海道に本格的な冬が来た。
札幌の秋は雨がちで、一日一日重苦しさを増していく日々だが、ある日突然冬が来て、厳しく冷えた透明な空気と入れ替わる。

温度と湿度が同時に大きく変わる時期は体調にも注意が必要だ。
外気と体内のブリッジになる喉には大きな負担がかかっている。
喉は、歌を唄う僕にとっては何より大事な楽器なのでケアが欠かせないが、気温と湿度の大きな変化は他の楽器にも大きな影響を及ぼす。
去年はアコースティックギターのトップにひび割れが入った。


幸い板自体に問題は及ばず、膠による処理だけで済んだが。

そしてスピーカーも楽器。
当然影響が出る。
特にスピーカーユニットを固定しているネジには注意が必要だ。

スピーカーユニットはたいていの場合六角レンチでバッフル板に固定されている。
このネジは普段から振動でゆるみ続けていて、そのままにしておくと元気のないフォーカスの甘い音になる。
それが、この気温と湿度が変わる日には急激に緩みが進むのだ。

本格的な雪が降った日の夜、レンチを入れてみるとやはり全体に緩めの手応えで、特に左下のネジはゆるゆるになっていた。


さっそく増し締めるわけだが、ここで注意が必要。
ただ締め付ければいいというもんでもないんだよ。

アルミ素材で出来ている近代的なスピーカーは所有したことがないので、なんとも言えないが、一般的な木製のスピーカーでは一定の力で締めた後も強く廻せばさらに締まる。
そこまでやってしまうと音が硬くなってしまうのだ。
タイヤ交換を自分でおやりになる方はわかると思うが、素材を変形させる力を与えない範囲できちんと止める。これがコツだ。


この儀式が終われば冬のオーディオ。
真空管のやわらかな灯りが似合う冬の夜に、こころをえぐるようなオーケストラの響きは要らない。


かといってシューベルトの「冬の旅」ではちょっとベタか。
ではカントリーの優しい歌声に聴き惚れてみようか。
日本では本当に不思議なほど無名な、ライル・ラヴェットの暖かい声に身を委ねるのが、今日は良さそうだ。


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