2014年10月22日水曜日

オマルー導きの惑星ー:ロラン・ジュヌフォール

時々、無性にSFが恋しくなる時期がある。
なぜかはわからない。

で、そういうときほど探しても探しても読みたいSFが見つからない。
なんでなん?

今回は気になりながらもスルーしていた「オマルー導きの惑星ー」を手にとった。

オマル-導きの惑星- (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
ロラン ジュヌフォール
早川書房
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なぜスルーしていたかというと、帯に書いてある「ハイペリオンを凌ぐ」という言葉。
そんなわけないでしょ?

ところがどっこい。
似てないこともないけれど、凌ぐかどうかなんかはちっとも気にならないくらい、まったく別の面白さをもった作品でした。
理屈抜きに面白い。
人物に惹かれる。
現実社会でも人は自分の生い立ちを語る時、一番イキイキと話すものだが、そのドライブ感を見事に文学に取り込んでいる。
ページ・ターナーですね。うまいです。

そして最後の最後に明かされるあっと驚く未来史。
それが明かされる前に書き連ねられた、この不思議な星オマルで起きている民族間の問題に僕らは現代の地球で起きてきた、そして今でも起きている問題のいくつかを重ねて見ていたはずだ。

その共感が最後の最後に見事にぐるんとひっくり返される。
そして我々の視界の外側にあったものが、圧倒的な勢いで心に迫ってきたところで物語は終了する。
うまいなあ。
読了したとたん続編買いましたわ。

オマル2 ー征服者たちー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
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