2014年7月10日木曜日

[でも名盤 vol.7]:トレイシー「FAR FROM HURTING KIND」

[でも名盤]の6回目でご紹介したKEANEも1981年だった。
この年、英国ではTHE JAMで人気絶頂期にあったポール・ウェラーが、すでに新しいムーブメントを起こそうとレスポンド・レーベルというインディ・レーベルを組織し始めていた。
そして翌1982年、人気絶頂のままTHE JAMを解散。
デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズにも在籍していたミック・タルボットとスタイル・カウンシルを結成。
同時に、レスポンド・レーベルからデビューさせる新人シンガーを探していた。

オーディションにテープを送ってきたトレイシー・ヤング嬢の声に惚れ込んだポール・ウェラーは、即座に契約に出向き、スタイル・カウンシルのデビュー・シングルとなる「スピーク・ライク・ア・チャイルド」でも早くも共演している。

ここでややこしいのが、スタイル・カウンシルのファーストアルバム「カフェ・ブリュ」の「パリス・マッチ」という曲で歌っているのが、Everything But The Girlのトレイシー・ソーンであるということで、だから、ねえねえ、ポール・ウェラーのプロデュースしてたトレイシーって知ってる?というと、いやそれはトレイシー・ソーンのことだろ、と言われてしまうことがある。
僕に信用がないだけ、と言われればそれまでだが。

そして1984年、満を持してトレイシー名義のデビューアルバムが出る。
「ファー・フロム・ハーティング・カインド」

Far from the Hurting Kind
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このアルバムもNHK-FMでアルバムの大半の曲が流れた。
一曲目の「(I love you)when you sleep」のイントロの幽玄なエレピに続いて出てきた曇りのないハイトーンのメロディに一瞬で引きこまれた。
が、その後のコード進行が普通じゃない。メロディもだんだんこじれていく。
サビに入って分散和音っぽい複雑で高低差のあるメロディが歌われていく。
ずっと、緊張感を伴って聴いているとあっという間に曲が終わった。2分55秒。
放送が終わっても、この曲の不思議な構成が気になって録音したテープを何度も聴いた。

ずっと後になって、復刻されたCDを買って、この曲がエルヴィス・コステロの曲だと知った。
本国ではシングル・カットもされていたようだ。


デビュー曲は「The House That Jack Built」というモータウン風味の楽曲だが、アルバム「ファー・フロム・ハーティング・カインド」には収録されていなかった。
現在、再編集されて再発された盤には一曲目に収録されているようだ。
なんてこった。



映像見ていただくとわかるんですが、綺麗な人なんですよね。上の(I love you)when you sleepのジャケットもなかなか。
ファー・フロム・ハーティング・カインドのジャケット写真、もう少しなんとかならなかったんでしょうか。

で、まさかジャケット写真のせいではないでしょうが、セカンドも録音はされたが結局発売されず。
レスポンド・レーベルは経営がうまくいかず、1985年に実質的に活動を停止してしまう。

ところが、発売されなかったセカンドがなんと!今年、発売されたのです!!
これは事件ですよ。誰が何と言っても事件なんですよ。
と言ってもこれ書いてて発見したんですが。

でもとても偶然とは思えんな。
どっかから電波飛んできてたな。

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名前が違うが、後半は本名のトレイシー・ヤング名義で活動していた模様。
僕も今ポチったので、まだ聴いてませんが、届いたらまたレポします。

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