さすが、クドカン×阿部サダヲ。脚本も演技も名人芸。一級のコメディーであります。
僕は18年間営業の仕事をしてきたが、だいたい仕事の半分はなんらかの謝罪だ。
ミスに起因するものもあるが、クローズド・マーケットで決まった顧客と長期に渡る取引をする業界では、提供した商品がお客様の期待どおりでないときも、適切な謝罪が必要になる。
営業現場での謝罪においては、「それが本当は誰のせいか」ということは問題にならない、どころか問題にしてはならない。
それが自分以外のスタッフのせいでも、またはいかんともし難い社会情勢に起因するものでも、たとえお客様自身の勘違いであったとしても、すべてを代表して頭を下げるのが謝罪というものだ。
リクツを超越した「許してください」という純粋な気持ちだけが、謝罪の要諦である。
だから、映画内で、謝罪センターができるきっかけとなったラーメンチェーンの謝罪対応の迷走ぶりには、わかる、わかると大きく頷いた。
謝罪することと、事態を収拾するということの間には深くて大きな溝があるのだ。
国際弁護士に、謝罪の何たるかを語るシーンにも日本的な謝罪の本質がよく表現されていた。
だいたいI'm sorry.ってなんなんだ。
なんで、私は残念だ、と表明することが謝罪することになるんだ。
同じ意味でエラい人が「遺憾に思います」っていうのも、ちっとも得心がいかない。
「それはわたしのせいではありません」って言ってるのと同じだろ。
グローバリゼーションの中で、日本が喪った大事なもの。
それが謝罪だ、というのがこの映画のテーマだろう。
おおいに共感します。
さて、この映画にはもうひとつ見どころがある。
それはエンドロール。
E-Girls、エグザイル、VERBALの豪華共演による主題歌のミュージック・ムービーが凄い。
ぜひ観てください。
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