2014年7月8日火曜日

[でも名盤 vol.6]:キーン「ドライヴィング・サタデイ・ナイト」

1981年というから中学生の頃だ。
当時、釧路ではFM放送はNHKしか聴けなかった。
確か夕方だったと思うが、ポップス、ロックのアーティストひとりを特集してかける45分間の番組があった。
放送は前半後半に分けて、楽曲がノンストップでかかるという、ポップスやロックのアルバムを録音するにのよく使われた46分テープにエアチェックすることを想定した画期的な構成になっていた。

僕はこの番組で、実に多くのアーティストを知った。
ビーチボーイズ、チープトリック、フォリナー、イーグルスなどなど。
今日、ご紹介したい「Keane」もそうだった。

Keaneと言っても、2004年にHopes & Fears(いいアルバムでしたよね)でデビューしたイギリスのバンドではない。
トムとジョンのキーン兄弟を中心に結成され、TOTOの弟分としてデビューしたアメリカのバンドである。

確かデビュー曲の「ドライヴィング・サタデイ・ナイト」はソニーのカセットテープのCMで流れたはずだ。
その日のNHK-FMでは、キーンの、デビュー曲と同じ「ドライヴィング・サタデイ・ナイト」と題されたファーストアルバムがまるごとかかったのだった。

Keane
Keane
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キーン
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今でも一曲目のTryin' to kill a saturday nightの印象的なピアノのイントロが聴こえてくると、完全に中学時代の心のほとんどを音楽にもっていかれていた時代の疼きが蘇ってくる。
アルバムのすべてのパーツがキャッチーでシンプルなアイディアによって作られている。
弟くんのドラムスの若さと勢いがあるのにセンスの良いフィルインは、ほとんどの曲で今でも「歌える」。

録音したテープは次第によれよれになっていったが、このアルバムは待てど暮らせどCD化されなかった。CD化されないということは、中古市場にレコードが流れてきにくいし、実は、このアルバムは日本でしか発売されなかった。 だからアメリカとドイツのレコード店を主な仕入先としている中古レコード店にもこのレコードは入ってこないのだ。
だから
2001年に復刻専門レーベルが再発してくれた時には狂喜して、同時に復刻されたセカンド・アルバムと一緒に買った。
そのセカンド・アルバムを聴くのははじめてだった。同じメンバーで同じようなコンセプトで作られているのだが、心に残る楽曲がない。
不思議なものだ。

奇蹟とか魔法とか、そういうなにかがこのファーストアルバムには働いてるんだろう。そういう意味でも、このアルバムは名盤とよぶにふさわしいと思う。

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