早瀬耕の新作『十二月の辞書』が出た。
『未必のマクベス』という作品が大好きで、SNSでベタ褒めしてたら、それがご縁で筆者と繋がり、同年代で予備校が一緒だとわかった。
それ以来追いかけるように著書を読んでいる。
早瀬作品の常だが、日常生活では滅多にお目にかからない難解な言葉が頻出するので、度々ネット検索しながら読むことになる。
そして、そのような読み方そのものが本書のメインギミックに直結していて、読者は筆者の掌で弄ばれるが、もちろんそれは主題ではない。
そんなことがまったく厭わしくないほど、一筋縄でいかない恋の行方に、おいおいと思ったり、こらこらと思ったりで翻弄される。
その翻弄がとても楽しい、不思議な読書体験だ。
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