エイドリアン・ガーヴィッツというギタリストのことは知らなかった。
湯川れい子先生が書かれたアルバムのライナーノーツによれば、『ベイカー・ガーヴィッツ・アーミー』というプログレ系ハードロックグループのメンバーであったそうだ。
この「ベイカー」はあのジンジャー・ベイカーである。
一転、このアルバムはディスコ寄りのAORである。
1978年リリースのローリング・ストーンズ『女たち』によって行われたロックバンドからのディスコミュージックへの<回答>とは少し肌触りの違う、ディスコとAORとの最大公約数を探ったようなサウンド、と私はみた。
本作でのエイドリアン・ガーヴィッツは、リードギターは数曲に控え、ファルセットも多用してディスコミュージックの歌い手として振舞っている。
サウンドのコアになっているのは、TOTOのポーカロ兄弟とデヴィッド・ペイチ、デヴィッド・ハンゲイト、と言えば、だいたいどんな音か想像がつくのではないだろうか。
ライナーノーツで、さらりと「ジェフ・ポーカロと電話で話していた時」と書かれているように大物ミュージシャンたちとの親交の篤い湯川先生だが、私も一度湯川先生と仕事でロサンゼルス、ラスヴェガスと廻ったことがある。
ちょうどセリーヌ・ディオンがヴェガスのシーザーズ・パレス・コロシアムで専用劇場での定期公演を4年の間続けていた時期で、外界と接触のない日々を送っていたそうだが湯川先生は別格で、楽屋を訪問されていた。
エイドリアン・ガーヴィッツはこの後もソロ活動を続け、都合(編集盤を除いて)6枚のアルバムをリリースしている。
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