2022年11月14日月曜日

冷たさと真摯さの物語:米澤穂信『王とサーカス』

妙なことだが、自分で自分のここが嫌いだと思っていることについて言及している小説に出会った時、僕はとても慰められる。

とても嫌なこの自分は、本当はこのように悩むべきだったのだ、と教えられたような気がするから。
米澤穂信の「王とサーカス」もそういう小説だった。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
自分の心のすごく奥の方に隠れていて、できるだけ意識しないようにしている「冷たさ」のようなものを、この小説はストレートに抉ってくる。
読んでいて、そのストレートさに何度も慌てて本を閉じた。
 
 
最後のページを読み、本を閉じた時、「真摯さ」がそれを救うのだと教わったような気がした。
 
 
簡単なことではないと思うけど、せめて明日一日だけでもできるだけ真摯に生きてみよう、と今は思っている。

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