純粋にジャケットに惹かれてレコードを買ってしまうことがある。
このサム・リヴァースのアルバムもそうだった。
陰影だけで表現されたモノクロームの美しさ。
見事なタイポグラフィ。
BLUE NOTEレーベルらしいこのデザインが、音楽の確かさを保証しているような気がした。
サム・リヴァースといえばフリージャズの人で、少し敷居が高いが、このアルバムはスタンダード集なので、聴き覚えのあるメロディが、優しくリスナーを導入してくれる。
そしてそれがまったく異なる旋律に置換され続け、調性も破壊されかけているなと思うと、またもとのメロディに戻ってくる。
ここで調性は破壊されたのではなく、拡大されたのだ、と認識させられる。
よくできたアルバムだと思う。
しかし、このアルバム。サム・リヴァースの諸作の中では決して評価の高い作品ではなく、CD化は2014年までかかっている。
こんなにいいジャケットなのになあ。
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