2022年11月11日、『天気の子』と同じように封切りの日に『すずめの戸締まり』を観にいった。
本作では、封切り前にノベライズが発売されていた。僕は読まずに映画を観た方がいいだろうと判断したが、観終わった時、その判断は間違っていなかったと思った。
この物語は一言でいうなら<喪失>についての物語だ。その<喪失>の要因が、物語後半に明かされる。その時自分自身の中に生じた深い喪失感で、僕はこの映画の中に飲み込まれた。映画の一部になって駆け抜けた。そして映画は自身の<経験>となった。
その「要因」こそが、新海監督にこの映画を作らせたものであるから、 この映画を語るときに避けることはできないのだろう。家に帰って広げた夕刊に掲載された新海監督のインタビューに、その「要因」がデカデカと見出しになっていたから、本当に封切り日に観て良かったと思う。
そして何より、この映画は音楽が素晴らしい。
『君の名は。』で始まったRADWINPSとのコラボレーションも、最初はミュージカル的不自然さを感じることもあったが、陣内一真氏の参戦で極めて完成度の高い劇伴になっているし、主題歌を歌う十明(とあか)さんの声が本当に素晴らしい。
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