坂口安吾の原作らしいが、未読。
クリスティーやエラリー・クイーン的な本格推理の仕立てになっていて、事件の舞台は人里離れて孤立した「館」である。
舞台設定に戦後の日本の事情を加味してあって、安吾という作家の巧みさが光る。
そこに多様な奇人たちが集まる、というのがまた「本格」っぽい。
最初に死ぬ望月王仁役の人、『青春の殺人者』で殺される人だな。
まだまだいますが、こんなところで。
この奇人たちの中でも内田裕也の存在感が凄い。
そんな中で、掃き溜めの鶴を演じるのが、夏純子さん。
例のパーマネントブルーにも出てるらしい。
ますます観たくなるじゃないか。
かなり濃い目の面々を揃えたものの、事件そのものはわりと普通で、そのギャップがこの物語を成立させていると言えなくもないわけですが、特に探偵役の造形があまりに薄いので、犯人当てに興じるよりは、容疑者たちの振る舞いを楽しむのが吉と思います。
ただこの探偵いいこと言うんだよなあ。
この殺人事件は「不連続」だ、とか、「心理の足跡」とか。
キャスティングによっては化けたかもしれないですね。
さて、音楽についてですが、やはり70年代の邦画は音楽が凝ってます。
この映画では冒頭から強くひずんだエレクトリックギターがプログレチックなフレーズを奏でて、いやが上にも盛り上がるわけですが、名古屋を中心に活動したコスモス・ファクトリーというバンドが担当しているそうです。
知らないなあ・・でもなかなかいいですよ。
コスモス・ファクトリー
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