でもアナログにもいいところがたくさんある。
一般にアナログは「融通が効く」
CDのデータが読み取れなくなった時に出てくるディジタル・ノイズはちょっと耐え難い音が出るが、レコードについた傷は幾度も聴いているうちにその盤の個性のようなものとして受け入れることができる。
DVDに記録された映像も事情は同じで、盤の傷が一定のレヴェルを超えれば「このディスクは読み取りできません」とにべもなく突き返されるし、DVDーRに至っては色素の変質で数年で使えなくなったりするが、録画されたヴィデオテープは、確かに画質の劣化はあるが、驚くほど長い間映像を保存しておいてくれる。
光ファイバーを通ってくるひかり電話なんぞは停電の時には何の役にも立たないが、アナログ回線は、電気が無くてもその時必要な声を届けてくれる。
デジカメで撮りためた大切な写真をハードディスクのクラッシュで喪って、気を失いそうになった人だっているだろう。現像したフィルムなら家が火事にでもならなければ失われることはない。
そんなアナログの「丈夫さ」に惹かれて、アナログ・レコードを愛聴し続け、真空管アンプを使い、携帯電話にも背を向けてアナログ回線の固定電話を使い続けている。
そしてこの度、もう一つアナログ趣味を持つことになったのでご報告したい(別に聞きたくないか)
それは「フィルム・カメラ」
会社員時代の大先輩に譲っていただいた。
Nikomat ELという(ニコマートと読みます)
40年ほど前のニコン製のカメラらしい。
レンズはあらためて購入した『Ai Nikkor 43-86mm F3.5』一本を練習がてら使い倒す計画である。
友人たちに言うと、決まって「現像はできるのか」とか「フィルムは売ってるのか」などと訊かれるが、真空管アンプを使っているというと、真空管が切れたらおしまいですね、などと言われるのと同じだから別に気にならない。
真空管もフィルムもまだ作られているし、現像だってカメラのキタムラが入っているAEONが近くにあれば、昔懐かしい55分DPEサーヴィスが今でも受けられる。
繰り返すが、アナログは丈夫なのである。
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