Amazonで買ったジャック・ジョンソン「スリープ・スルー・ザ・スタティック」のアナログ盤が届いた。
マットな質感の良いジャケで、ダブル・フォールドになっている。
全14曲を収録するためにレコードは二枚組になっているから当然の仕様だ。
ダブル・フォールドの中面には全面に歌詞が印刷されている。
このアルバムは、環境意識の強いジャック・ジョンソンの発案で、太陽光発電によって得られた電力のみでレコーディングされたものだが、残念なことにレコーディングについての詳しい情報は記載されていない。
各レコードは、このような紙袋に収納されている。最近はあの半透明の内袋はめったにお目にかからない。紙袋のメリットは静電気の発生が抑えられることだが、このレコードでは盛大に静電気が発生していて、袋から取り出すのに苦労した。まさに「スタティック」であったわけだが、まさか故意にではないだろう。
いつものように洗浄液「ニーノ・ニーノ」とベンコット・ワイピング・ペーパーでクリーニングしてからターンテーブルに置く。
ライトの下に置くと、クリーニングで取りきれないほどこびりついた指の油脂が見えると思う。さらにターンテーブルを廻してみれば、盤面に映り込むライトの光が歪む。盤が反っているのである。これが現在のアメリカのレコード製作のレヴェルなのだ。
気にならないといえば嘘になるが、もう慣れた。
それでもアナログで聴きたい音というのがある、ということだ。
針を落とせばわかる。
CDで聴いてみて直感したとおりの音だ。
音が波であったという事実を体感させてくれる実在感がある。
たった三つの楽器と人の声で出来たこの肉体的な音楽の真相を感じ取るためにどうしても必要な音がここにある。
ことにエレクトリック・ギターの音が素晴らしい。
ギターアンプが震えている空気感が伝わってくる。
最終曲「LOSING KEY」にはジャック・ジョンソン自身の手によるギターと、ボーカルのユニゾンが入っているが、このギターと声が響き合って胸が苦しくなっちゃう感じはCDからは感じ取れなかったものだ。
もしかしたらこのドキドキが現代の商業音楽業界が失いかけている「鍵(LOSING KEY)」なのかもしれないな。
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