THE 東南西北 The 東西南北
ソニー・ミュージックレコーズ (1993-06-21)
売り上げランキング: 187,259
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試聴してすぐ気に入って、店でBGMにもかけたし、それをそのままテープに録音させてもらって(役得!)何度も聴いた。
特にセカンドシングルにもなった「内心、Thank You」というベタつかないバラードが大好きだったが、その後我が身にふりかかった失恋があまりにもピッタリ歌詞にはまって、聴く度に身につまされるのでそのうち聴かなくなってしまった。
30年も聴かずにいたその曲が、大学時代の先輩がDJを務めるSTVラジオの帯番組「ミュージックJ」で不意打ちのようにかかって一気に時間が戻ったが、さすがに30年の月日は大きい。胸が痛むというよりは心地よい切なさを感じ、あらためて名曲だとの確信を深めた。
YouTubeを漁ると、現在の久保田洋司さん(The東南西北のボーカル&ソングライター)が歌っている動画があり、CキーをAキーまで落として落ち着いたトーンで歌っているのがとてもいい。
この曲の作詞をした松本隆さんの特集番組内での演奏で、その番組内で、久保田が松本隆さんに歌詞を書き換えてもらったエピソードが語られていた。
当初、学校を舞台に書かれた歌詞が、高校を卒業したばかりの久保田には近過去ゆえのリアリティの無さがどうしても我慢ならなかったようだ。
「一生歌える歌にしたいんです」
の言葉に応えて書き換えられたのが現在の歌詞で、久保田は、だからこの歌は一生大事に歌うんです、と言っていた。
幸せな歌だと思う。
この動画内にある松本隆さんのインタビューに、この歌が「世界を敵に回す」系の歌の元祖ではないか、という話があるが、これについて調べた労作がすでにある。
「足型日誌」さんの「世界を敵に回す歌年表」である。
素晴らしい。
これによると、内心、Thank Youの5年も前に、しかも松本隆さんご本人によって書かれているではないですか。たくさん書いてるからもういろいろわかんないんですよね。無理もないです。
そういえば、ネット界ではしばしば、その彼女と付き合うことで世界を敵に回すことになるってのは、いったい何をしでかした彼女なんだい?という疑問が呈されるが、確かに理屈で考えれば腑に落ちない表現ではある。
しかしそういう理屈を超えたロマンが「世界を敵に回す」というシチュエーションにはあるよなあ。
こんなのもあったよね。うのたん・・
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