というわけで、前記事で印象に残ったことを書いたのですが少し詳細に振り返ってみようと思います。
まず最初に見たのが国内メーカーの「スペック」
木材を使った仕上げの良い筐体を持つアンプに注目していたのと、最近発表された弩級といっていいアナログ・プレーヤーを聴いてみたくて朝一番からブースを訪問しました。
しきりに「アンプメーカーではなく、いい音を作る会社なんだ」と力説していて、どんなスピーカーを組み合わせてもいい音が出るということはない筈なので、納得のいくスピーカーと組み合わせて今日はデモをするという。
もとパイオニアでエクスクルーシブを作っていたという技術者が立ち上げたメーカーで、そういう意味ではセルフブランドでワンストップ展開を目指すのが自然だというのは納得がいく。
しかし、まだラインナップにスピーカーがなく、フィンランドのアンフィオンというブランドのものを使っていた。
この組み合わせでドイツのオーディオショウに出て、No.1ブースとして表彰されたというが、それほどの音ではないように感じた。
いろいろ不利な条件があったと思う。
初参加のスペック社には狭い部屋が割り当てられ、十分なエアボリュームが得られず、当然音量が不足する。 残念ながらノラ・ジョーンズの耳タコのデビュー曲とリンダ・ロンシュタットの「星に願いを」は、この録音が持っているアコースティカルな質感を十分には伝えてはくれなかった。
それと、デモンストレーターの「日本人はブランドに弱くて、本当の音の良さを聴き分ける耳がないので、最近は海外で勝負している」と言われて、その人が奏でる音楽を聴く気になるだろうか。
音楽を聴く心は、思うより繊細なものだ。
しかし公平に見て、実に「素直」な音であったことは今回の参加企業随一であった。
操作を見ていたがボリュームの出来がよく、かなり繊細なコントロールが効きそうなところも好印象。
アナログプレーヤーの音も相当に良さそうだった。
残念ながら盤の手入れがわるくジリパチ音に塗れた演奏で、「低ノイズ設計」と言われてもなかなか頷けないところがある。
音楽に愛情のあるデモンストレーターの手で、同じ素直さでもその先の浸透力を持つB&Wあたりのスピーカーと組み合わせてぜひ聴いてみたい。
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