何故かはわからない。
で、もうひとつついでにわからないのは、この禁断症状にはもちろんマイルズの音楽を聴くことでしか対処できないが、適当なCDをポンと入れても解消しないということである。
エレクトリック期の、しかもレコード盤で聴かないと、一定の満足感が得られない。
合理的な理由はまったく見つからないが、そう困難なことでもないので、こういう時は心の声にしたがってレコードをかけることにしている。
今週はずっとこの禁断症状に苛まれており、今朝も起き抜けにすぐ二枚組のライブ盤「We Want Miles!」をかけた。
A面の真ん中あたりで、マイルズのトランペットがわずかに歪んだ。
直感的にスタイラス(針)に大きな埃がついたことがわかった。
レコード盤の磨きが充分でなかったようだ。
さっそく愛用の宝石用ルーペで確かめてみると、今までで最大級の埃が!
思わず写真を撮ってみた。
すごい(ひどい)でしょう。
あまりにすごい(ひどい)ので、予てから気になっていたスタイラス(針)の清掃方法についてちょっとした実験をやってみることにした。
僕は、写真右端のオーディオテクニカ製の湿式スタイラスクリーナーAT-607を愛用している。
が、この方式には、針先を固定している接着剤を溶かしてしまうとか、カンチレバーを固定している樹脂部分を硬化させてしまうとか、いろいろと問題が指摘されている。
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そうなのかもしれない。
しかし、本当にブラッシングだけで埃が取れるのか、それが疑問だった。
埃を取り去るのに、多くの回数のブラッシングが必要だとしたら、その物理的摩擦の方がリスクが高いのではないか。
で、今回の酷い汚れに、写真中央に見えるブラシを使い、ブラッシング一回で、どの程度の埃が取れるのかを確かめようというわけだ。
で、やってみたのがこれ。
うまくピントが合わなくて申し訳ない。
ほとんど取れているように見えるが、肉眼ではこまかい埃が取りきれず先端部まで覆っているのが確認できた。
この後、テクニカの湿式クリーナーで締めたのがこちら。
ホントに写真が下手で申し訳ない。
肉眼では、このオーディオテクニカのMMカートリッジAT150MLXの特徴である針先の細いファインラインという形(テクニカではマイクロリニア、と言ってますね)が見事に復活しているのが確認 できた。
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針先のクリアさは音質に重大な影響がある。
以前使っていたテクニカのMMカートリッジは、音は元気で申し分ないものだったが、針先は接合楕円という形で、実は僕の持っている古いサンタナのアルバム(キャラバンサライ)では特定の箇所が飛んでしまって再生できなかった。
それがこのファインラインという針先ではノイズもなくすっと再生できてしまった、という経験がある。
やはりレコードとの接触が良く、トレース力が高まるのだろうか。
ともあれ、針は「汚れない」のが最上に決っているわけで、まずはレコード磨きを怠らないことだと猛省した次第だ。
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