ある日の朝、目を覚まして自室に入るとプリアンプ(McIntosh C2200)の電源が入ったままだった。
前日の夜、電源を切るのを忘れたのだと気がついたが、はて、ならばなぜパワーアンプの方は電源が切れているのだ?と思い、チェックするとスイッチは「ON」側に倒れている。
ははあ、ヒューズが飛んだな、と近くのホームセンターに走り、ヒューズを入れ替え、無防備にスイッチを入れたら、ボンッと嫌な音がして、4つあるKT88真空管のひとつから白煙が上がった。
替えたばかりのヒューズはまた溶けていた。
愛用のアンプから音が出なくなっても真空管アンプユーザーは慌てない。近くに信頼できる修理屋さんがいれば尚の事。
さっそくお預けして診ていただくと意外にも、うん、回路にも異常はないですね、とのこと。一本の真空管に異常があり、そのせいで回路に負担がかかってヒューズが飛ぶことがあるんだそうだ。
というわけで4本のKT88真空管を交換していただいて、バイアス調整して、飛んじゃった真空管のソケットも調整して、修理完了。しかもこの方どういうツテがあるのか、いつも相場よりずいぶん安く真空管を手配してくださる。
今回はPSVANE(プスヴァン)という中国製真空管を用意していただきました。修理代も、え?というほど安くて本当に助かる。
マッキンはエレクトリに修理に出すと目ん玉飛び出るような見積が出てきますから・・
無事電源ON!
早速聴いてみる。
帰ってきたらまずこれを聴こうと用意していたのは、纐纈歩美がアート・ペッパーへのトリビュートとして制作した「Art」
修理に出している間に入手したものだが、修理明けに聴こうと思って開封していなかった。
サキソフォンの音が出た瞬間、これだ!と思う。
マッキンのジャズの表現はやはりこれでなくては、という太さとエネルギー感がある。代打ちで使っていたCOPLAND CTA401のEL34に較べると音像もグッと大きくなる。
もっと!という気分になってついついボリュームが上がる。
真空管の温度が上がると、演奏の温度も上がって・・・の無限ループ!
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