アナログ再生の見直しも最終段階に入った。
僕の心に最後に刺さっていた棘は、ケーブルだった。
現在僕のレコードプレーヤーDENON DP-500Mに刺さっているのは、プレーヤーに付属していたケーブル。
一定ランク以上の機器の場合、付属しているケーブルは音が出ることを確かめるためのものと考えなければならないとよく言われる。
残念ながら、僕の愛するこのプレーヤーは、その一定ランク以上のものとは言いがたいもので、だから、ケーブルもそのまま使っていたのだが、ここまで7年間このプレーヤーに付き合ってきて、諸先輩のおかげで、多くの名盤の音を聴くことができたし、良いカートリッジの音なども試させてもらって、演奏も音も良い愛聴盤も何枚か手にしたし、これだ!というカートリッジも入手することができた。
いよいよ棘を抜く日が来たのだと思った。
実はこのプレーヤーを買おうと決めた時から、ケーブルはこれしかない、と決めていたものがある。
オルトフォンのトーンアーム・ケーブル。両側がRCAのケーブルはそれほど選択肢がないし、オルトフォンなら文句はない。
思い切って注文した。
これです。
写真でしか見たことなかったんですが、お店で使ってるオルトフォンのスピーカーケーブルの皮膜をトランスルーセントの青に変えたというイメージですね。金色のプラグが良い感じです。
さっそく交換してみます。
外しました。
改めてよく見ると、意外に太くていい造りのケーブルでした。しかし、やはりこの赤白のプラグが付属品というイメージです。イメージは大事ですから。
他のすべての機器の接続に使っているアクロリンクのケーブルと同じように信号の流れる方向を指示してあります。友人の理系技術者によれば、根拠はほとんどないそうですが、わざわざ反対に付ける理由もないわけで、指示にしたがって接続します。
接続後、さっそく試聴してみる。
聴き慣れた山下達郎、ポケットミュージックのB面をかける。聴き慣れたものでないと、例えば左右の音がひっくり返ってるなんてのは論外だが、バランスが悪かったりするのに気が付きにくい。
今回は、まったく問題ないようだ。
さらに最近よく聴いている、シューベルトの「ます」もかけてみる。
やはりアンビエンス音などのあるクラシックになると差が出てくる。ここでは、さきほど登場した友人の理系技術者の「ケーブルにはエージングの効果はない」という言葉が実感できた。
ここで、明確に違う音だ、と言えたら僕もうれしいが、今までの音でだって充分感動してきたのだ。だから、ここでは素直に、他の機器にかけてきた最低限の愛情を今回アナログ再生に関しても今出来る範囲でかけてあげる事ができて、心にかかっていた霧が晴れた、と言っておく。
そして、それが実際に聴いている音のベールを一枚剥いでいることは、僕の心の中で起こっていることなのであり、それを楽しむのがオーディオという趣味なのだと、誰に言うのでもなく、呟いてみる。
最高に心地よいこの時間の中で。
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