2013年2月6日水曜日

それは二度目の一目惚れ。

よくよく惚れっぽい男だな、とは思う。
前回の一目惚れは、TANNOYのGreenwichというイギリスのスピーカーだった。
全国喫茶店視察で、とある喫茶店でサブに使われていたのを見て一目惚れ。
横長の店内の音が届かない部分を補強するために置かれて、小さな音で鳴っていた。
その小さな音が素晴らしかった。

いくつかの中古オーディオ店に問い合わせるも在庫がなかったが、折よくヤフオクに出品され、運良く落札させてもらった。
しかし到着したスピーカーは片側のボイスコイルが切れていて音が出ず、イギリスからユニットを取り寄せてようやく音を出した。

音が出た時はうれしかったな。
初めて音を出したのに、長年苦労を分かち合った戦友のような気がしたよ。

毎日お店で、そのスピーカーを鳴らした。その小さいのに美しい音が聴けば聴くほど素晴らしくて、自分の部屋用にも欲しくなって、ヤフオクに程度の良い物が出るのを待って、もう1セット落札させてもらった。

こちらが自室に置いてあるGreenwich
カフェジリオに置かれたGreenwich


さて、今回恋に落ちた相手は、デンマーク生まれのスウェーデン育ち。
COPLAND CTA401というアンプだ。


実はずっと、店で使っているアンプのことが気になっていた。

もともとここには、プリにMcIntosh C2200、パワーにMC275という真空管アンプのコンビが鎮座していて、それなりにオーディオ好きのお客様を連れてきてくれたりしたのだが、なぜか三年目の時に次々と真空管がイカれて、11本の真空管をすべて入れ替えた。
エントリークラスのプリメインアンプが買えるくらいのカネが飛んでいった。
2007.3オープン時。ラックの天板の上下が逆だ。ハズカシ。

やっぱり一日8時間、毎日点けっぱなしという環境は現代の復刻真空管たちには酷なのだろうかと、自室で使っていた長い付き合いのDENON PMA-1500RIIという6万8000円のアンプに入れ替えた。


元のマッキンは、プリ、パワーともに75万円で、北見のオーディオ屋さんに眠っていた新古品を、合わせて100万円で入手したものだったので、かなりの価格差がある。
しかし、DENONのこいつは有楽町のビックカメラでじっくり試聴して選んだ、ボリュームさえ大きくしなければ本当にいい音の出るアンプだ。価格差ほどの音質差は無いと感じていた。
ウチは談笑スペースに使われることが多いから、BGMは控えめだしちょうどいい。これでいいんだ、と。

しかし、なぜかオーディオ愛好家は、大変良く出来ているがゆえに、大変な数が売れているDENONのプリメインアンプが嫌いだ。
噂を聞いて、わざわざ来て下さったお客様がアンプを一目見てあからさまにがっかりするのを何度も見た。
お店のサービスとは関係ない部分でがっかりされるというのも、これはこれで厭なものですよ。
それに個人的にも、アンプよりラック(クアドラスパイアというイギリスのラックを使っております)の方が高いってのもどうなんだ?と思わなくはなかったし。

ま、でもその程度。
だから、別にそれほど本気ではなくて、宝くじにでも当たったら真っ先にお店のアンプを替えるとして、どんなのだとシブいかな、みたいな想像を楽しむ気分で、いつもハイファイ堂という中古オーディオ専門店のWEBショップを覗いていた。

ハイファイ堂にはちょっとした思い出がある。

前の会社の先輩と中野ブロードウェイのフォーク喫茶でバーボン飲んでて、泉谷しげるとかのLPを聴きながら、なぜか隣の席の初対面のオジさんと盛り上がっていた。
後ろの席の若い男性がトム・ウェイツのレイン・ドッグスをリクエストした時、そのオジさん、やにわに立ち上がって、「青年、せっかくトム・ウェイツを聴くんならクロージング・タイムにしなさい。ぜったいこれが一番いいから。」と、たぶん自分が聴きたかっただけなんだと思うけど、そう言い放った。
あまりにも確信に満ちたその言いっぷりに青年も納得して、みんなでクロージング・タイムを聴くことになったのだが、実は僕も「土曜日の夜」と「レイン・ドッグス」しか聴いたことがなかった。
これが素晴らしい音楽だったのですよ。

で、そのオジさんに興味が湧いていろいろ話を聞いたら、実はハイファイ堂という中古オーディオ店で長く働いていたのだと言う。
君も開業でオーディオ探してるんならハイファイ堂がいいよ、と言って下さった。もう辞めたお店をお勧めするのだから本当に良いお店なんだろうな、と思い何か買うならハイファイ堂にしようと思っていたのだ。

ハイファイ堂のWEBショップの良いところは、アンプの絞り込み項目が「プリメイン」「真空管プリ」「トランジスタプリ」「真空管パワー」「トランジスタパワー」と細かく分かれているところだ。
で、最近は、あまり知られていなくてデザイン性の高いプリメインはないかなあ、と探していた。
ある日、いつものようにプリメイン・アンプで絞り込んで一覧を眺めはじめた時、目に入った瞬間から釘付けにさせるオーラを放っている一台があるじゃないですか!


それがこれ。
COPLAND CTA401。真空管EL34プッシュプルのプリメインアンプっす。
見慣れないブランドですが、デンマークのコペンハーゲンに企画設計部門、主力工場をスウェーデンに持つXENA AUDIO社の製品だそうです。日本ではパイオニアが輸入・販売していたらしい。
ハイファイ堂さんのウェブショップからお写真拝借いたしました。ブツはまだ届いておりません。

ホント、北欧デザインって感じ。いい顔してる。大胆に刻まれたCOPLANDのロゴもいいね。
で、真空管がEL34ってのがいい。なにしろ安いからね。30W+30Wというほどほどのパワー感もいいなあ。なんて。一度気に入ると、全部がよく思えてくる。

さて肝心の音はどうなんだ?ってとこですが、Youtubeを見れば、大抵のアンプの音は聴けるんですよね。今はそういう時代。
こんなマイナーなアンプの動画もかなりの数がアップされている。
もちろん録画機の内蔵マイク性能はさほど高くないだろうし、PCで聴いてるからホントのところはわからないけど、耳の脳内補正機能はけっこう高い。だいたいどんな音かはわかる。

ほうほう、けっこういいんじゃないですか。ってもうデザインが気に入ってるから贔屓の引き倒しになってるし。
それに、オーディオの音はスピーカーと部屋で決まるわけで、こればかりは届いて聴いてみなければわからない。

というわけで買っちまったよ。
現在、大阪日本橋から札幌まで日本横断中。
無事、届いてくれよ。

現在店で使っているDENONアンプは、娘の部屋に収まって会社員時代使っていたONKYO D200とともに、再び活躍してくれる予定。そちらのセッティングをしてあげるのも実はちょっと楽しみです。

1 件のコメント:

  1. ごぶさたです。

    お、やりましたね〜。かっこいいアンプですね。
    僕もA級パワーアンプのBTLやっちゃいました(笑)世の中節電ですが。。。ま、深夜の小音量なんで勘弁してね、って感じです。また遊びにきてください。僕もいきま〜す。

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