オルトフォンのVMS20Eというカートリッジをいただいてから、朝も夜もレコードをかけっぱなしだ。ふと「これ白いレコードに映えるんじゃないか」なんて思いついて、チェット・ベイカーのカラーレコードをかけてみた。
おお!いいじゃないか。
で、調子に乗って、昔買った松本伊代ちゃんのピンクのカラーレコードもかけてみた。
うんうん。いいカートリッジは絵になりますな。
そういえば、黒く着色しないレコードが12月に発売されるそうだ。100% Pure LPシリーズ。ロック、ジャズの名盤のリリースだが、一枚5,800円!まあ、聴いたことのない盤はないので今回は見送りかな。来年クラシックのリリースもあるそうだから、いいものがあれば一枚くらい買ってみようか。
カートリッジはエージングが進みどんどんいい音になっていくが、交換針が見つからなくて困ったなあと思っていた。交換針の専門店なるものがウェブにあって、検索システムを使ってみたが該当の針はありません、と出る。お探しの針が見つからない場合はお気軽に問い合わせフォームからご連絡ください、とあったので、ダメ元で連絡してみたら、今日返事が来て、ありますよ、と言う。えー、と思ってもう一度検索してみると出てきた。ふむ、webショップってのはメンテナンスとか大変なんでしょうね。
ともかく交換針は入手可能、しかも5000円と非常にリーズナブルなお値段だ。入手できるうちに何本か発注しておいたほうがいいかもしれないな。
2012年11月15日木曜日
2012年11月14日水曜日
「さまよえるオランダ人」を聴いてみた。
ショ
ルティ指揮のワーグナー・オペラ全録音、36枚組CDから「さまよえるオランダ人」を聴いてみた。序曲をかけながら、先輩オーディオファイルからお借りし
た本で、オペラ全体の筋を把握する。うーん、なんか「パイレーツ・オブ・カビリアン」で観たような話だな、と思ったら、そういえばあの船「フライング・
ダッチマン号」っていう名前でしたね。The Flying Dutchman=さまよえるオランダ人ですもんね。
当 たり前の話だが、全編ドイツ語で歌われている歌劇の内容は聴きながら理解することはできない。しかしながらBay City Rollersで音楽に目覚め、Led Zeppelinに、Eric Claptonに、Elvis Costelloに、そしてBruce SpringsteenやSteely Danに音楽の何たるかを教わった僕らは、たとえ言語としての意味はわからなくとも歌唱を「人の声による音」として楽しむことに慣れている。
オペラは違う?そうだろうか。
確かにいろいろと違うところはある。
ま ず一曲せいぜい5分、長い曲だって10分を超えることはそうないポピュラー・ソングに較べるとオペラは長い。しかし前回長い時間をかけて「ニーベルングの 指環」に取り組んだ経験から、オペラも短い歌曲の集まりであることがわかったし、構えずに聴いてみると、案外ちゃんと「サビ」のようなものも用意されてい たり、短調で始まって長調に展開していくような、よく聴く展開の曲もあったりする。ポピュラー・ソングなら「シャ・ラ・ラ」とか「ヘヘイ・ヘイ」といった ような言葉で表現されるものが「ヨー・ホイ・ホー」になっているだけで結構似たような構造になっているのだ。
そのように構えずに聴くと、オペラは純粋に楽しい。
物語は物語として別に本で読んだ。いつもクラシックのことを教えてくださるお客様が貸して下さった。
呪 いをかけられ故郷に帰ることができなくなったオランダ人の船長がクルーもろとも何年も何年も海を放浪し、自分を愛してくれる人が現れるまで呪いは解けな い。呪いが解けたとしてもそれは「死」による解放であり、しかもその愛してくれた娘も道連れとなってしまう。道連れになってもかまわないと思ってくれるこ とが、「誠」の証明になるのだ。嵐に遭遇したノルウェー船の船長がさまよえるオランダ人に出会い、娘を紹介する。その娘こそが運命の人であった、というお 話。
日本の古典芸能なんかにもありそうな話なんだけど、細かいところがよく作りこまれててけっこういい話なんだな、これが。
その印象を胸に抱いたまま、一気に聴いた。いいなあ。これ舞台で観たらどんなに素晴らしいんだろうか。機会があればぜひ観てみたいものだ。
当 たり前の話だが、全編ドイツ語で歌われている歌劇の内容は聴きながら理解することはできない。しかしながらBay City Rollersで音楽に目覚め、Led Zeppelinに、Eric Claptonに、Elvis Costelloに、そしてBruce SpringsteenやSteely Danに音楽の何たるかを教わった僕らは、たとえ言語としての意味はわからなくとも歌唱を「人の声による音」として楽しむことに慣れている。
オペラは違う?そうだろうか。
確かにいろいろと違うところはある。
ま ず一曲せいぜい5分、長い曲だって10分を超えることはそうないポピュラー・ソングに較べるとオペラは長い。しかし前回長い時間をかけて「ニーベルングの 指環」に取り組んだ経験から、オペラも短い歌曲の集まりであることがわかったし、構えずに聴いてみると、案外ちゃんと「サビ」のようなものも用意されてい たり、短調で始まって長調に展開していくような、よく聴く展開の曲もあったりする。ポピュラー・ソングなら「シャ・ラ・ラ」とか「ヘヘイ・ヘイ」といった ような言葉で表現されるものが「ヨー・ホイ・ホー」になっているだけで結構似たような構造になっているのだ。
そのように構えずに聴くと、オペラは純粋に楽しい。
物語は物語として別に本で読んだ。いつもクラシックのことを教えてくださるお客様が貸して下さった。
呪 いをかけられ故郷に帰ることができなくなったオランダ人の船長がクルーもろとも何年も何年も海を放浪し、自分を愛してくれる人が現れるまで呪いは解けな い。呪いが解けたとしてもそれは「死」による解放であり、しかもその愛してくれた娘も道連れとなってしまう。道連れになってもかまわないと思ってくれるこ とが、「誠」の証明になるのだ。嵐に遭遇したノルウェー船の船長がさまよえるオランダ人に出会い、娘を紹介する。その娘こそが運命の人であった、というお 話。
日本の古典芸能なんかにもありそうな話なんだけど、細かいところがよく作りこまれててけっこういい話なんだな、これが。
その印象を胸に抱いたまま、一気に聴いた。いいなあ。これ舞台で観たらどんなに素晴らしいんだろうか。機会があればぜひ観てみたいものだ。
2012年11月13日火曜日
オルトフォンVMS20Eが教えてくれる「弦」の音。
いつもオーディオやクラシック音楽について有難いご教示をいただいている先輩オーディオファイルの方から、なんとカートリッジをいただいてしまった!
Ortofon VMS20EというMI型カートリッジ。
以前もお借りしたことがあって、いくつかお借りしたカートリッジの中で最も気に入っていたものだった。どこにも誇張のない自然な音と感じた。
僕が普段使っているのは、DENONのDP-500Mというプレーヤに付属しているオーディオテクニカのOEM品。明るい色調の元気な音が身上のカートリッジで、クラシック、ジャズ、ロック、オルタナティブとなんでも再生する僕にはありがたい存在だ。
いただいたカートリッジを取り付け、ラテラルバランス取って、針圧をかける。1gという軽針圧タイプ。重みがあまりかかっていない分針の動きを妨げずより豊かな表現につながる可能性があるが、トレースが充分できるかが難しい。どちらかというと神経質なタイプと言えるかもしれない。
大好きなバリリのベートーヴェン弦楽四重奏に針を落としてみる。
いやに音量が小さい。左チャンネルから音が出ていないようだ。一旦カートリッジを外して結線を確認すると4本あるリード線の一本が外れかかっているようだ。模型用の細いピンセットで奥までしっかりと差し込む。
再度セットすると、今度は両チャンネルから音が出た。
しかし、前回お借りした時と較べ少し音色が暗いように感じた。それまで馬鹿みたいに元気で声の大きいテクニカのカートリッジで聴いていたせいだろうかと疑うが、すぐに「もうちょっと鳴らしてあげないと調子が出るわけないじゃないか」と気がついた。レコードをワーグナーの管弦楽集に換えて慣らし運転をしてみる。小一時間ほど再生して、再びベートーヴェンに。
弦の音が違う!
以前、先輩のお家で聴かせていただいて、これはウチでは出ないぞ、と思った弦の感じにほんの少しだが近づいた気がした。
何日か鳴らしてやれば、もっともっといい音になるだろう。
ふと思いついて先日オークションで落としたばかりの稲垣潤一をかけてみる。はじめてレコードで聴いてこんなすごい低音がはいっていたのかと驚いた盤だ。
思った通り。このカートリッジの特質はおそらく低音にある。しっかりした低音がどこまでも伸びていく。この低音があるからこそ、ゆるがない高音が表現されるのだろう。そして表現の難しい弦楽器の実体感が醸し出される。
まだまだ引き出し切れていない僕のスピーカーの力を、また少しこのカートリッジが開いてくれたようだ。
かなり以前に生産が終了しているモデルで、人気モデルであったにもかかわらず、調べてみると互換針も含めて交換用の針の入手は難しいようだ。大切に使うことにしたい。
Ortofon VMS20EというMI型カートリッジ。
以前もお借りしたことがあって、いくつかお借りしたカートリッジの中で最も気に入っていたものだった。どこにも誇張のない自然な音と感じた。
僕が普段使っているのは、DENONのDP-500Mというプレーヤに付属しているオーディオテクニカのOEM品。明るい色調の元気な音が身上のカートリッジで、クラシック、ジャズ、ロック、オルタナティブとなんでも再生する僕にはありがたい存在だ。
いただいたカートリッジを取り付け、ラテラルバランス取って、針圧をかける。1gという軽針圧タイプ。重みがあまりかかっていない分針の動きを妨げずより豊かな表現につながる可能性があるが、トレースが充分できるかが難しい。どちらかというと神経質なタイプと言えるかもしれない。
大好きなバリリのベートーヴェン弦楽四重奏に針を落としてみる。
いやに音量が小さい。左チャンネルから音が出ていないようだ。一旦カートリッジを外して結線を確認すると4本あるリード線の一本が外れかかっているようだ。模型用の細いピンセットで奥までしっかりと差し込む。
再度セットすると、今度は両チャンネルから音が出た。
しかし、前回お借りした時と較べ少し音色が暗いように感じた。それまで馬鹿みたいに元気で声の大きいテクニカのカートリッジで聴いていたせいだろうかと疑うが、すぐに「もうちょっと鳴らしてあげないと調子が出るわけないじゃないか」と気がついた。レコードをワーグナーの管弦楽集に換えて慣らし運転をしてみる。小一時間ほど再生して、再びベートーヴェンに。
弦の音が違う!
以前、先輩のお家で聴かせていただいて、これはウチでは出ないぞ、と思った弦の感じにほんの少しだが近づいた気がした。
何日か鳴らしてやれば、もっともっといい音になるだろう。
ふと思いついて先日オークションで落としたばかりの稲垣潤一をかけてみる。はじめてレコードで聴いてこんなすごい低音がはいっていたのかと驚いた盤だ。
思った通り。このカートリッジの特質はおそらく低音にある。しっかりした低音がどこまでも伸びていく。この低音があるからこそ、ゆるがない高音が表現されるのだろう。そして表現の難しい弦楽器の実体感が醸し出される。
まだまだ引き出し切れていない僕のスピーカーの力を、また少しこのカートリッジが開いてくれたようだ。
かなり以前に生産が終了しているモデルで、人気モデルであったにもかかわらず、調べてみると互換針も含めて交換用の針の入手は難しいようだ。大切に使うことにしたい。
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