上映は、かつて若い頃よく通ったスガイビル。現在はライザップの所有となりディノスと、その名を変えたが、2年後にここも取り壊され、総合商業施設になるんだそうだ。
ちょっとセンチな気持ちで映画館に足を運んだ。
クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」と較べてしまえば、クラプトンファンの贔屓の引き倒しで言ったって、これは間違っても「面白い映画」とは言えないだろう。
しかし、それでいいのだ。
「ボヘミアン・ラプソディー」が映画という表現手法を通じて、音楽の素晴らしさを伝えた映画だとするなら、「12小節の人生」は、あくまでもドキュメンタリーの視点で、エリック・クラプトンという人間の「わからなさ」を描いたものだからだ。
育ての母である祖母からみたクラプトンの幼少期と、自身の見解の食い違い。
周囲の語るシャイという人物像と、実際の女性遍歴とのギャップ。
自伝に書かれたバンド漂流の経緯と関係者の語るエピソードの相違。
もう普通にわからないのである。
わからなさ、という視点で驚いたのはエリックの絵の上手さで、学校もアートスクールに進学している。
朝から晩までギターばかり弾いてたってみんな言ってるのに、絵も描いてたっていうね。
現在グラビアを追加して再販売されている自伝は、この学生時代のイラストレーションも追加収録されているので、ぜひ見てみて欲しい。
エリック・クラプトン
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...と、もっともらしいことを書いてきたけど、本当に言いたかったのはこんな事じゃないんだ。
中学の頃からクラプトンの音楽が好きでずっと追いかけてきて、もちろんレイラも大好きで、だからそれがジョージ・ハリソンの妻パティ・ボイドへの横恋慕からできた歌だと知った。
そのジョージとパティの出会いが、ビートルズ映画への出演であることを知って、ほんの一瞬しか映っていない彼女を目を皿のようにして探したりしてるうちにすっかりパティ・ボイドに取り憑かれてしまった。
モデル出身のパティの写真は比較的簡単に手に入る(それでもポスターのようなものはほとんど入手できない)が、映像となると話は変わってくる。
それがこの映画では、クラプトンを狂わせた若き日の彼女の美貌が、最高の編集で拝めるのですよ!
それだけでこの映画は値千金。
需要があるかは知らんが、ファンは映画館に急ごう。
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