ありがちな企画ではあるが、ネタに詰まってやったわけじゃない。
舌腫瘍での長期休業からの復帰作が、吉永小百合の強い希望で自らが企画・主演した映画『ふしぎな岬の物語』のサウンドトラックだったのである。
出世作でもある『カヴァティーナ』も『ディア・ハンター』のテーマ曲であったことを考え合わせると、自身の転機になる曲がいつも映画音楽であったことに特別な意味を感じているのだろう。
今回ギターは、愛器ロマニリョスでなく、1859年製のヴィンテージ・ギターを使用している。
そのせいか、いつもの響きと少し違う。
このギターの深い音色は、思い切ってグッと音量を上げた時にこそ胸に届く音だと思う。
デッカは、このアルバムにこそ、デヴィッド・ボウイが名盤『ジギー・スターダスト』の裏ジャケに掲げた"TO BE PLAYED AT MAXIMUM VOLUME"を書き込むべきだった。
そして錚々たるスタンダード・ナンバーに並んで、よくぞこれを収録してくれたと思うマーク・ノップラーの映画音楽初進出作『ローカル・ヒーロー』をフルボリュームで聴こう。
村治佳織
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