どれも巧みな構成と、大胆な映像効果で飽きさせない秀作だったが、特に『つぐない』という作品が気に入った。
ジェネオン・ユニバーサル (2012-04-13)
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原作はイアン・マキューアンの小説『贖罪』だが、少女の付いた「嘘」が物語の核にある。
嘘なんかが核にあるもんだから、どこまで信じていいかわからないし、案の定後半にデカいどんでん返しが待っている。
こういう物語では、やはりどこか拠り所になるものがないと、感情移入の起点を持てないものだ。
ジョー・ライト監督は、彼の多くの作品に主演しているキーラ・ナイトレイに、その起点を委ねた。
この物語で確かでなければならないのは、何と言ってもセシーリアとロビーの恋だろう。
そしてその恋が確かなものだと観客が感じるのは、セシーリアの表情を見て、ロビーの心が今動いた!と感じられる瞬間があればこそだと思う。
キーラ・ナイトレイという女優は、そういう表情を持っていて、他の映画でもその必殺の表情を多用する。
一言で言ってしまえばそれは「笑顔」なのだが、キーラ・ナイトレイはふたつの笑顔を持っている。
美人顔のまま笑うと本当に綺麗なのだが、口角が綺麗に上がらず、上唇が不自然に上がる感じの笑顔をここぞという時に使うのだ。
その完璧な美貌を一瞬崩してしまうところに逆にハッとさせられてしまう。
それまで本心が見えなかったのに、不意に素顔が覗いたような感じ。
そこがいい。
日本では、桐谷美玲さんが、そういう魅力をもつ女優さんだと思う。
文句なく美しい人だが、わりと変顔もいける。
近作では『ヒロイン失格』がとてもいい。
ひとつの作品の中でのキャラの幅が広い。
そして本作中で桐谷美玲は、キーラ・ナイトレイそっくりの必殺の笑顔を見せてくれるのだ。
そう言えば、名前もちょっと似てるじゃないか。
キーラ・ナイトレイにキーリタニ・ミレイ
・・・そうです。
これが言いたかっただけなのです。
では、今日はこのへんで失礼致します。
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