今日はラリー・カールトンとスティーブ・ルカサーの札幌公演を観に行ってきた。
昨年も冬にラリーの札幌公演を観に行った。
こんな記事を書いている。
前回はデヴィッド・T・ウォーカーとの共演で、演奏は素晴らしかったが、前半PAに強い「不足」を感じたライブだった。
で、今日のPAは凄かった。
これはZEPPの音なのか(前回は札幌市民ホール)、それとも共演者スティーブ・ルカサーの趣味なのか。
ドラムスのキックがドン!と会場に響いた瞬間、僕の中の時計が70年代に戻った。
まだロック・コンサートが耳が痛くなるほどの音を出していた頃の音圧が出ていた。
リミッターで堅く締められた音もあの頃の音色によく似ている。
ベードラで心臓がバクバクいわなきゃロックじゃないと思っていた、忘れかけていたあの頃の音だ。
今日の主役はラリーでもスティーブでもなく、間違いなくこのドラマーだったと思う。
あの場にいた演奏者も含む全員に異論がないと思うが、後半の長いドラムソロが、今日一番の盛り上がりどころだった。
でもステージをリードするバンマスは、やはりスティーブ・ルカサーだった。
生で観たのは初めてだが、明るい。とにかく陽気だ。
MCはほとんどスティーブ・ルカサーがとっていた。
誰かのソロが終わると、観客の拍手を促す。
うまいよね。ステージ慣れしてる。コンサートっていうエンタメ空間をプロデュースしてる。
メンバー紹介もやってたけど、ラリーの紹介の時、「マイ・センセイ!」って紹介して笑いも取ってたな。
で、スティーブ・ルカサーは歌も歌う。歌う時は、MCで「もう俺、歌っちゃうぜ」と言う。歌うの好きなんだろうなあ、って感じ。
今日は3曲。
クリームのカバーでクロスロード。ジミヘンのリトル・ウィング。これは確かTOTOでもやってますね。
そしてアンコールでジョージのホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス。
全部、クラプトンがらみだけど、ルカサーとクラプトンって接点なさそうだよね。
ルカサーのアンプは今日はボグナーが二台。
たぶん、歪用とクリーン用を切り替えて使ってたんだと思う。
曲によって音が前に出てこなくなることがあって、しきりに足元でなんかいろいろ踏んでた。
でー、肝心のラリー・カールトンのギターですが、なんか今日はジョン・スコフィールド的とも言える、不思議な浮遊感のあるフレーズを弾いてて面白かった。
ルーム335も、前回はちょっと冴えない感じだったけど、今日はルカサーが弾きまくってたから、ラリーがバッキングに注力出来た分、この曲の素晴らしく凝ってるのにウルトラポップな本性がうまく表現されていてとても良かった。
昨年ルーム335を演奏するラリー・カールトンを観て、自分でも弾いてみようと練習をはじめたんだった。
けっこう難しくて頓挫してたんだけど、この動画を見つけて、メインのテーマはなんとなく弾けるようになった。
いい曲だよね。
練習した成果か、ラリーが何をやっているのか聴いていてよくわかった。
あー、そういえば後ろの席の人がみんなが異様に盛り上がってるのを見て隣の人に「これなんて曲?」「これ、あれですよ、ルームさんろくまる」って部屋番号違うよー、って突っ込みたくなったけど、そんなことも含めて楽しいライブだったと思う。
これでもう少し長く演奏してくれればなあ。
正味1時間50分くらいだったろうか。
やっぱりちょっと短いよね。
アンコールも一曲だったし。
気になることがあると言えばある。
途中、昨年9月に亡くなったジョー・サンプルに捧ぐという趣向でクルセイダーズの曲をやったんだけど、ラリーが亡くなってしまったジョー・サンプルのために、っていうしんみりしたMCをとってるのに、クルセイダーズの曲をやってくれるのがうれしかったのか一部の観客が、拍手したりイエイ!とか、ちょっと場違いな反応してて空気がすうっと薄くなる瞬間があったんだよね。
気を悪くして、なんてことないよね。
まさかね。
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